Lizzieの使い方
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説明に使用した図はLizzie改良版v3.1のものです。
【注意】Lizzieを起動すると分析がいきなり始まり、パソコンによってはファンの騒音が大きくなるかも知れません。その場合はスペースキーを押して止めてください

《Lizzie画面の説明》

最上部(欄外)
分析中の棋譜の対局者名と使用しているエンジン、何回探索したか(playout)、1秒間に何回探索しているか(visits/second)


碁盤の左側
japaneseとあれば日本ルール。(ルールの変更は上部メニューの「分析」にあります)
黒のアゲハマ、コミ、白のアゲハマと並んでいます。手番が黒なら黒丸が大きくなります。
コミの上の小さい丸は緑なら分析中、赤なら一時停止です。
(ルールとコミは上部メニューの「設定 > 表示 > パネルUI」にチェックを入れ、再起動すると表示されます)





その下は
黒の勝率、目数差、白の勝率
白黒の勝率の横バーグラフ(黒が優勢なら黒い部分が長い)
中央やや右寄りに赤い四角があります。今現在は白の手番なので、この赤い四角の右端は直前の黒の手番の時の境界線を表しています。そして黒が悪い手を打ったために、白黒の境界線が左の方に移動した(白にポイントが入った)のです。つまり、直前の手の優劣により、悪い手なら赤、良い手なら緑の四角でその量を知ることができます。
バーグラフのすぐ下に「最終手: -16.6%」とあります。これは直前に打たれた手がAIの最善手と比較してどれだけ悪かったか?あるいは良かったか?を示しています。上の画像で言うと、赤い四角で囲まれた部分が黒の失ったポイントで、16.6%と思われます。
その下が「複雑度」(Lizzie改良版では不確実性)
これは英語表記では標準偏差の略(stdev)のようです。例えば盤面にまだ石を置いていない状態では、残された変化の可能性が膨大すぎてKataGoといえど最終的な目数差を算出することは困難です。それでも目差を算出すると、半目差を予想したり10目差を予想したりと安定しません。逆に、終局間際で半目か1.5目のどちらかのような状況では、10目差を予想したりはしません。
複雑度はこれらの違いを数値化したものです。まっさらな状態で17.1、ある棋譜の最終局面だと1.1を示しています。

グラフには4つの色があります。(これらの色は「設定 → テーマ」で変更できます)
緑の線は黒から見た勝率(%) (勝率で分析されなかった部分は青色になります)
紫の線は目数差
赤い線(棒グラフ)はblunder barというもので、線の長さはどれだけ悪い手を打ったかを表しています。(設定→表示→勝率変化バーの表示をチェックすると表示します)

その下にサブ碁盤があり、通常は第一候補(勝率が最も高い手)の予想手順が表示されます。
サブ碁盤の右下にある「▸1」というものは、第一候補の予想手の局面ということで、サブ碁盤をクリックすると第二から順に候補手を表示し、サブ碁盤上でマウスホイールを動かすとその候補手の予想手順を表示します。

一番下が現在、分析を実行中または一時停止(スペースキーでオンオフ)と分析に使用しているエンジン名。

真ん中の碁盤
スペースキーを押して分析を開始すると真ん中の碁盤に候補手が幾つも現れる。中にある3つの数字は
一番上が勝率
真ん中が探索数(その候補手で何回分析したか)
一番下が目数差(その手の予想目数で+か-か)

候補手で最も探索数の大きいものが青色で表示。その他の候補手の色は緑色、黄色、オレンジ色、透明の優先順となります。
分析実行中、候補手にマウスポインタを置くと、その後の予想手順が碁盤上に表示されます。 ここで Zキーを押すと押している間は候補手が表示されなくなります。




右側
Lizzieの右側はいまどの手数の局面を分析しているかを示します。枝分かれがあった場合も一目で分かります。
なお、「設定」 → 「テーマ」で「勝率変化ノード」の閾値に色を付ければ、その手がどれだけ良かったか悪かったかを色で判別できます。
その下の黒い欄はコメント欄で、対局結果もここに表示されます。


《上部メニュー》

ファイル
棋譜をLizzieに読み込む方法は4つあります。
1、上部メニューの「ファイル」から「開く」で棋譜ファイルを読み込む。
2、エクスプローラーなどで目的の棋譜ファイル名をドラッグしてLizzieの碁盤の上に持ってくる。
3、クリップボードに棋譜をコピーし、Lizzieの碁盤の上で「貼り付け」ることでも読み込みます。貼り付けはキーボードで Ctrl+V(CtrlキーとVキー同時押し)を使うのが便利です。
4、上部メニューの「ファイル」の「URLから開く」をクリックして、現れた入力欄に棋譜(SGFファイル)のあるページのURLを入力する。

読み込む棋譜は拡張子が sgfとなっているものなので、市販の対局囲碁や幽玄の間で保存した棋譜はsgfに変換しておく必要があります。変換ツールは日本棋院の Kiin Editorなど多数あります。
sgf変換のやり方は、拡張子がsgf以外の棋譜をKiin Editorなどで読み込み、拡張子をsgfにして保存します。

「保存」はLizzieで対局したり分析したりした棋譜を保存します。
なお、「開く」と「保存」は下部メニューにもあります。

表示
メイン碁盤の位置を左右に動かしたり、サブ碁盤やグラフ欄を大きくしたり、いろいろできます。

Lizzieのデザインを好きなように変える方法は下の方に書きました。

「KataGoの設定」は分析中の石に表示される目差にコミを加えるかどうかなど、思考エンジンを KataGoにしているときの表示方法を設定できます。





対局
Lizzieと対局する場合、「対局情報の設定」をして「新規対局」で対局開始します。
Lizzie改良版では初めから日本ルール、コミ6.5目に設定してあります。

分析実行中に「最善手(,)」をクリックすると着手します。「,」(カンマ)を押していくと最善手を打ち続けます。

対局中または分析中の局面で「コメントを編集する」でコメントを入力し「保存」すると棋譜にコメントが入ります。

「目数計算」は終局時の目数を計算してくれます。(死に石は指定しないといけません)
分析
分析項目が並んでいますが、ルールはここで変更できます。

「自動分析」は分析時の playout(探索数)を指定できます。

「ポリシーネットワークの表示」は下部メニューにもあり、そちらで説明してあります。

「Zenでの形勢判断」は使えないので Lizzie改良版では削除されています。

設定
ここで思考エンジンを追加したり、Lizzieで表示するテーマなどを変更できます。
新しいエンジンを追加したい場合などエンジンの設定方法はLizzie改良版を参考にして下さい。

Lizzie改良版v2.9から、この「設定」メニューの中のすべての項目にマウスポインタを乗せると、内容の説明文がポップアップされるようになりました。今までご存じなかった Lizzieの使い方に気がつくかも知れません。

通常表示される候補手は上位の勝率のものだけになってます。すべてのポイント(座標)の候補手を表示させるには、「表示」の「統計の最小プレイアウト率」の数字を0にし、「最善手数の上限」を 0または362以上にすれば、盤面全部に候補手が表示されます。




設定→エンジン→変化を避ける ○○手」の意味は
エンジンをleelazeroにして分析させているとき、「ここは読むな」という点を碁盤上で右クリックして「分析除外」をクリックすると, 「その点への着手は当面禁止」という条件で先の手を読むようになります。この「当面」を具体的に何手先までとするかの設定です。

Lizzie改良版では「着手音」をオンオフできます。

エンジン
登録されている思考エンジンのリストです。分析または対局に使用するエンジンを指定できます。

Lizzie改良版(CPU)では KataGo(CPU)、KataGo(Modern CPU)、LeelaZero15Bが、
Lizzie改良版(GPU)では KataGo OpenCL 40B、KataGo OpenCL 20B、KataGo TensorRT 40Bが、それぞれ搭載されています。

ヘルプ
「キー操作の説明」をクリックすると外部ページに飛びますが、Lizzieを起動中 Xキーを押せば簡易なキーボードでの操作法が現れます。
詳細なキーボードコマンドは別表にしました。参考にしてください。


《下部メニュー》

「開く」「保存」
上部メニューの「ファイル」にもあります。そちらをご覧ください。

「分析」
クリックで分析オン・オフ (スペースキーと同じ)




「katago形勢」
KataGoをエンジンにしているとき、これをクリックすると双方の勢力図が碁盤に表示されます。もう一度クリックすれば元に戻ります。

「形勢」
このメニューは現在使えません。通常はエラーメッセージが出ますが、Lizzieが終了してしまう場合もあるので注意してください。(Lizzie改良版では削除されています)
「囲碁AIメガパック」では使えるようです。

「ポリシーネットワークを表示」
ポリシーネットワークとは、「一手も読まずに今の盤面の形だけで打てと言われたら、どこに打つ確率が何%か」というようなことです。
LeelaZero や KataGo はこの直感をベースにして手を読んでいきますが、ちゃんと手を読んだふつうの分析のほうがより正確なので、思考エンジンの内部動作に興味がなければ気にしなくてよいメニューと思われます。

「主分岐へ戻る」
途中で枝分かれした変化手順から枝分かれした直前の主分岐(メイン手順)へ戻ります。

「主分岐にセット」
枝分かれした変化手順を主分岐(メイン手順)に変更します。

「碁盤をクリア」
碁盤上の石も分析手順もすべてクリアします。

「手順」
手順番号を表示。上部メニュー「表示」にもあります。

「座標」
碁盤に座標を表示します。上部メニュー「表示」にもあります。

<<>>など
それぞれクリックして手数を進めたり戻したりするものです。
左から初手に戻る、10手戻る、1手戻る、1手進む、10手進む、最終手に進む
初手に戻るはHomeキー、10手戻るは Ctrl+↑キー、1手戻るは↑、1手進むは↓、10手進むは Ctrl+↓、最終手はEndキーで代用できます。

空欄
空欄に半角数字を入れて移動ボタンをクリックすると、その手数の局面になります。


《その他の機能》

patched-LizzieとLizzie改良版には分析領域を指定する機能があります。
Altキーを押しながら碁盤上をドラッグして囲まれた青い線の領域内のみ解析する。つまり部分的な解析が可能です。(詰碁の図の分析などに便利ですが、詰碁の解析はLizGobanにもあります)
領域を解除するには Altキー+碁盤上をクリックです。


候補手にマウスポインタを乗せ、想定図が表示されている状態で「z」キーを押しながら下矢印キー(↓)を押すと想定図を一手ずつ表示できます。 上矢印キーで戻ります。




勝率グラフの縦の点線をクリックしてドラッグすれば、盤面を任意の局面に移動できます。下部メニューの空欄に手数を入力するより簡単です。



シチョウの手順を5手以上並べた状態で「対局 → シチョウの自動確認」をクリックすると、碁盤にシチョウの最終局面まで自動的に石が並べられます。

Lizzieのデザイン変更
1、Lizzie を起動する
2、メニューの「設定 > 表示 > パネルUI」にチェックを入れて「OK」を押す
3、メニューの「ファイル > 終了」で一旦 Lizzie を終了する
4、再度 Lizzie を起動する
  画面左上の白黒のアゲハマ表示の間に赤か緑の小さい丸が表示されている
  スペースキーを押して分析をオンオフすると丸の色が変わる
5、上記の状態で Alt キーを押しながら w キーを押すとデザインモードに入る
6、例えば、勝率グラフをマウスでドラッグすると、勝率グラフが別ウィンドウになって位置や大きさを変えられる
  別ウィンドウを閉じると本体ウィンドウに戻る
  サブ碁盤なども同様にドラッグして位置や大きさを調整できる
7、左側のアゲハマ、勝率グラフ、サブ碁盤を3つとも Lizzieウィンドウの外側へ出すと、メイン碁盤が左端にくっついてしまうが、3つのどれかのウインドウを閉じればLizzieウインドウの中に入る
8、調整が済んだら再度 Alt+w を押してデザインモードを抜ける
  これでウィンドウ配置が記憶されます
9、元に戻したければ、「設定 > 表示 > パネルUI」のチェックを外して Lizzie を再起動してください




※※(注意)※※
原因はわかりませんが、ウインドウを幾つも調整していると、デザインモードを抜けてもフリーズして動かなくなることがあります。その場合はタスクマネージャーでプログラムを終了するか、パソコンを再起動するしかないので注意してください。


背景画像は、Lizzieフォルダのthemeフォルダにあるyasnayaフォルダに好きな画像を入れ、上部メニューの「設定」→「表示」からテーマタブで上部の「テーマ」を「yasnaya」にすれば、その下の[背景画像のパス]で自分好みの画像にできます。


この「使い方」を作成するに当たって、kaorahiさんhope366さんにアドバイスいただきました。感謝申し上げます。



※※修正・追記(Feb. 12, 2023)※※