黄昏のリレー小説第2部


第1話、軽犯罪組織
「帝国の版図へ」
街道筋のとある宿場町。その安宿の一つの一室で、数人の集団が何かを話し合っていた。
カーグ「と言うわけで、ここが俺達の現在地点。で、ここからが帝国領だ。」
ヨナン「ずいぶん遠いですね。」
サニア「まあ、修行するなら当の帝国から離れたところにするでしょうね。」
ルッツ「何で俺達まで参加してんだー!?」
ポコ「まあまあ(汗)・・それに、なんかほっとけないよ、こういうの・・」
サニア「実際ロマリアを思い出すわね。不愉快だわ。」
カーグ「しかし、ただ帝国を目指してもダメだ。」
ヨナン「というと?」カーグ「帝国に近づきたがる奴なんて、そういない。マークされてしまう。
だが、いいカムフラージュがある。ハンターを装うんだ。気まぐれで動く連中だ、どこへ動こうと不思議がられない。」
ポコ「じゃあ、ハンター仕事を請け負いながら移動するのかぁ。なんか昔みたいで懐かしいや。」
サニア「よし、それじゃ決定!近くの町で、旅費稼ぎを兼ねてハンター仕事よ!」
ルッツ(なんでサニアさんが仕切ってんだ?)

一方、彼らが数日ほど前に後にした町では・・
チョンガラ「ふーはははは!ついに追いつけそうじゃ!帝国とやらの宝、独り占めはさせんわい!」
ヂークベック「しんぽノナイじじいジャ・・・」
チョンガラ「さあ、いくぞヂーク!」
第2話、tani
近くの町に向かうためにカーグ達は何もない街道を進んでいた。
カーグ「サニア、どうでもいいがなんであいつらも仲間にしたんだ?」
ポコとルッツを見ながらサニアに話しかけた。
サニアは1回戦ってもう実力は申し分無い事は分かった。
しかし帝国と戦うなら少しでも「足手まとい」は少ない方がよかったのだ。
カーグ「片方は楽観的過ぎるお調子者。
    もう片方は気弱すぎてどう見ても戦闘では役立たずだぜ!
    帝国がどんなものか分かってるんだろう!?いくら数を集めたって・・・」
サニア「あら、あいつらああ見えて結構やるのよ。
    見た目だけじゃわからないんだから。」
カーグ(ホントかよ・・・)
その時だった。少し離れた林からモンスターが6,7匹の団体になって現れたのだ。
サニア「ポコ!!やっておしまいなさい!!!」
ポコ「なんで!?何でボクだけなのーー!?」
サニア「うだうだ言ってないでさっさとやる!!さっさとやらないと・・・」
ポコ「わかりました!!やりますやりますよ!!!」
カーグ「だいじょぶか!?あんなにいるんだぞ!たったひとりなんて」
サニア「いーから見る!!」
ポコはどこからともなくラッパを取り出した。
ポコ「へろへろラッパーー!!!」
ラッパから幾つもの「なにか」が出てきてモンスターに命中すると大爆発を起こした。
連続する爆発の後、立っているモンスターは一匹もいなかった。
サニア「どお?これでもバカにできる?」
爆風でモンスターが出てきた林が燃えてしまっている。
付近の土が焦げて草は既に燃え尽きていた。
カーグ(マジかよ・・・すごい・・・こいつらがいればもしかしたら・・・)
そして何事もなかったように進み出すサニア達。旅はまだ始まったばかりである。
しかしさっきのモンスターの林から出てきたのがモンスターだけでなく
それから逃げていたチョンガラも混じっていたことに気付く者はいなかった。(続く)
第3話、軽犯罪組織
カーグ「さて、あとはこっちのお調子者だが・・・」
ルッツ(ギクッ)
サニア「ルッツのことは私もよく知らないのよねえ。空でも飛べるのかしら?
それとも腕がキャノン砲にでも変形するのかしら?」
ポコ(無理ってわかってて言ってるな・・・)
ルッツ「い、いや俺様は平和主義者だし、ていうかああいうハデな技は苦手っつうか?」
カーグ「なんだ、こっちは見かけ通りか。」 
ルッツ「見かけどうりって言うなー!じゃあ見てろよー!必殺!お宝ちょうだーい!」
そう言うとルッツは素早くカーグの側をすり抜けた。
カーグ「?な、なんだ?」
ルッツ「へへへ、気がつかなかった?ポケットの中のもの、いただいたぜ!」
カーグ「でっ・・ば、馬鹿、返せ、それは・・」
ルッツ「お?なんだなんだ?」
ヨナン「カード?」
そのカードには、ロリ絵の少女たちが戦闘している姿と共に、攻撃力などの数値が書かれていた。
ポコ「ヲ・・・ヲタク系トレカ?リープに・・こっちはアクウェリ?」
カーグ「み、見るな、返せよ、返せって!」
「見なかったことにしよう」その場の全員の暗黙の了解の元、ルッツはカーグにカードの束を返した。
ルッツの実力は証明された。しかし、彼の「盗む」は即刻封印されたのだった・・・・
ヨナン「ところで、なんでトレカの種類なんか知ってたんですか?」
ポコ「(ギクリ)は・・ははは、な、なんでかな?」
第4話、tani
街道を抜けてようやくなかなか大きな町についたカーグ一行。
カーグ「まずはギルドに向かおう。仕事次第ではそのまま宿に向かわず仕事を片付けよう。」
サニア「言われなくてももう行って来たわ。仕事も受けてきた」
ポコ「え!?いつのまに!??早すぎるよ!!」
カーグ「っていうかもう受けてきた!?内容も確認せずか!?」
サニア「どーでもいーことでしょ、そんなの。仕事は見つけたら受ける。当然!!」
頭を抱える他のメンバー達。とてつもなく嫌な予感がする。
カーグ「で、内容は何なんだ?」
サニア「簡単よ。この町のすぐそこの山に洞窟があるんだけどそこに住んで怪しい研究を
    しているネクロマンサーを捕まえてこいって言うの」
ルッツ「メチャメチャめんどくさそーじゃん」
ポコ「確かに、それに怪しい研究だなんて僕達実験台にされちゃうかも。怖いなー!」
カーグ「捕まえてこいだと・・・!?止めさせるように注意してこいではなく!?
    ハンターの仕事でまだ何もしてない奴を捕まえて来いなんておかしいぞ!
    ホントに簡単な仕事なのか!?」
サニア「大丈夫よ!魔術の事に関しては私に敵う者なんていないし、
    あ、後この仕事大至急だから宿なんて泊まってられないからね!」
一同「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
長い沈黙が流れた。本当にこの仕事は簡単な仕事なのか?サニアは何かを隠しているようだ。
この先行きに不安を感じずにはいられないカーグ一同であった。(続く)
第5話、ガイア
昼下がりのとある山奥。
カーグ一行は、かれこれ半日この山を彷徨っていることになる。
ルッツ「あ、あれ?またここに出ちまったぜ?」
ポコ「こっちだって言ったの誰だっけ?」
先頭で仕切っているのはもちろんサニアである。
サニア「うるっさいわね!さっさと洞窟を探しなさい!」
カーグ「まあまあ…。あっちはまだ行った事なかったよな。行こう」
サニア「何であんたが仕切ってんのよ!」
ポコ&ルッツ「さんせーい!」
サニア「あんたたちまで!ちょっと、待ちなさいよ!」

かくして、辿り付いた山奥の洞窟。
カーグ「これ…か?」
ポコ「っぽいね」
サニア「さ、行くわよ!続きなさい!」
ルッツ「おれ疲れちゃったよ〜。休んでていい?」
サニア「あら、地獄へ行きたいらしいわね…」
ルッツ「うひょ〜!い、行けばいいんだろっ」

真っ暗な洞窟の中に、呪文を唱える声が響いている。
ルッツ「うへぇ。気味悪いなあ…」
サニア「呪術なら誰にも負けないわよ!どこの誰かは知らないけど、出てらっしゃい!」
洞窟内が、蝋燭の火でパッと照らされる。
そこに居たのは…
第6話、軽犯罪組織
謎の声「我は悠久の時の流れに身を委ねし者なり・・・」
カーグ「な・・・なんだこの呪文は?」
謎の声「其は我が名を知るが良い。知らぬものは、己が痴れたものと知るべし!」
ポコ「え?まさか・・?」
謎の声「そして刻め!我が名は・・」
ポコ「わぁー!!だめだめ!板違いだよぉ!!」
ルッツ「板違いってなんだよ!?」
謎の声「ピエール・ベロニカ!!」
カーグ達は、思いっきりマンガ風に前のめりにずっこけた。その音に気付いた男が振り向く。
ピエール「なんじゃなんじゃなんじゃ!?なぜわしの家にいる!?」
カーグ「げ!見つかった!?」
第7話、tani
ピエール「なぜ貴様らこのわしの家におる!!ただでさえこの洞窟には無数の罠が仕掛けて
     あるというのに!!」
ポコ「トラップ??僕達普通に歩いてきたけどそんなの1つもなかったよ?」
ルッツ「うわっ!!」何かにつまずくルッツ。
ルッツ「なんだよこのぼろ雑巾みたいのは・・・あれ?チョンガラ!?」
そう、街でのサニア達の話を盗み聞きしたチョンガラはカーグの反応を見て
ただの仕事でないと思い、先回りしてたからをいただこうとしたが
洞窟のトラップに引っかかりまくり最後のトラップが終ったあたりで
カーグ達に抜かれてしまったのである。
ルッツ「なにやってんだかこの強欲ジジイ」
ヨナン「人のこと言えないと思いますよ」
カーグ「Aボタンで永遠に眠らせてしまえ」
サニア「Aボタンって何??」
ピエール「お前等・・・!」
サニア「あっ、忘れてたわ。ギルドからの者よ!!おとなしく同行して頂戴!!」(続く)
第8話、B−Co
ピエール「わしの研究の邪魔をする気か!?ならば、力ずくでも帰ってもらうぞ!!」
ポコ「やっぱり戦うの〜!?」
サニア「フッ、望むところよ!!」
ピエールは髑髏の杖を掲げると共に、呪文の詠唱に入る。
ピエール「我、久遠の絆断たんと欲すれば、言の葉は降魔の剣と化し汝を討つだろう・・・。」
詠唱と同時にピエールの頭上に巨大な剣が形作られて行く。
サニア「…!これは闇の大魔法!!あの男、見かけによらず出来るわね!!」
カーグ「感心してる場合か!あの呪文にどう対抗する気だ!?」
ルッツ「この強欲ジジイを盾にするってのは?」
サニア「バカね!それで防げるのならとっくに実行してるわよ。それよりも、ここは
    私に任せて。」
サニアの秘策とは一体・・・!?(続く)
(※大魔法はファイナルチェリオです。)
第9話、虚空
サニア「実は以前密かにこのヒゲの「召還のつぼ」にある人にはいってもらっていたのよ!」
カーグ「いったい誰だよ?!」
ポコ「それってちょこ?」
ルッツ「美人だといいなぁ〜」
サニア「いいからだまってみてなさい!」そういってサニアがふたをあけると…
金髪の逆立った髪のがっしりと筋肉のついた男が現れた。
サニア「さあ!あなたの元○玉であの魔法をうちけして!」
すると金髪の男は空に両手をあげ叫びだした!
金髪の男「世界のみんな!オラに元気をわけてくれ!」
まばゆい光の玉が両手に集まり巨大な光の玉となっていく。
ピエール「こ…この技は?!!」
そして金髪の男は○気玉をなげつけた!
すさまじい閃光があたりを包む。
はたして彼らはどうなったのか?
そして金髪の男は何者か?(つづく)
第10話、ガイア
ピエール・ベロニカ「や、やられた・・・ガクッ」
洞窟内に再び静寂が訪れる。
サニア「ご苦労様。戻っていいわよ」
サニアは金髪の男を壷に戻した。
ルッツ「ね〜ね〜、今の誰?」
サニア「うっさいわね!助手よ、助手!」
ポコ「これで、この人をギルドに連行すれば、初仕事成功だね」
ヨナン「長かったですね…。街へ戻りましょう」
カーグ一行が去った後、洞窟内には忘れ去られたヒゲオヤジが1人倒れていた。。。

夕刻のとある大きな街の宿屋の一室。
カーグ「はぁ…。やっと休める…」
ポコ「疲れたぁ」
ルッツ「早くメシを食いたいぜ〜」
皆が思い思いにくつろいでいたその時、ドアが勢い良く開いて、サニアが姿を現した。
サニア「次の依頼を請けて来たわよ!内容は『バーンズさんの禁断のペット探し』!
今直ぐに取り掛かってもらうわ!」
ルッツ「ちょ、ちょっと待てよ!おれたちもうヘトヘトだぜ?」
サニア「ハンターは24時間営業が基本でしょ?さっさと支度しなさい!」
ポコ「『禁断の』って言うのが引っ掛かるね」
カーグ「ところでサニア、そのネックレスは何だよ?」
サニアの首元には、いつの間にか魔力アップ系のネックレスがつけられている。
サニア「ああ、これ?さっきのヤツの落とし物よ。仕方ないからあたしが貰っておいて
やってるの」
ポコ「それって、パクったっていうんじゃ・・・」
サニア「今、何か言ったかしら?」
ポコ「いいえ・・・」
カーグ((あれが目的だったのかなあ…))
サニア「さあ、依頼人に話を聞きに行くわよ!」
第11話、B−Co
カーグ達は渋々身支度を始めた。
サニア「そういえば言い忘れていたことがあったわ。入ってきなさい!」
ドアが開くと共に現れたのは、なんとピエール・ベロニカであった。
ピエール「とほほ・・・何でわしがこんな目に・・・。」
サニア「問答無用!わたしに牙をむいた報いよ!!あなたはミルマーナ国民として、
    一生こき使ってやるから覚悟しなさい!!!」
ピエール「うう・・・あんまりだ・・・。」
サニア「という訳で、今日からこいつも一緒に連れて行くことにしたわ。
    異論はないわね?」
カーグ「あ、ああ・・・。」
一同、恐怖のあまり凍りつく。
今のサニアに逆らえる者など、誰もいなかった。
サニア「何グズグズしてんの!さっさと仕事に行くわよ!!」
カーグ(・・・いつになったら、帝国へ潜入できるんだか・・・。)
こうしてピエールをパーティーに加えた一行は、バーンズさんの下へと向かった。
第12話、軽犯罪組織
一行はバーンズ家を訪れた。
カーグ「ごめんくださーい!」
バーンズ「あ、いらっしゃい!」
カーグ「ペット探しでしたね?」
バーンズ「ああはい、そうです。ちょっと目を離した隙にどこかに
いっちゃって・・今のところ被害は無いんですが、このままではいつ腹を空かして人を襲うか・・」
カーグ「被害!?」
ポコ「ひ、人を食べるの?」
バーンズ「はい。前は犬を飼ってたんですが、
いかんせん寿命が短い。そこで、ちょっと遺伝子をいじくって・・ですね。食欲がありすぎるのが欠点ですが」
ルッツ「なあ、さっきギルドに行ったら、ペット連続行方不明って依頼があったんだけどな・・」
バーンズ「ああ!あいつだ!よかった、食うものに困ってはいないようです、早く捕まえてください、
次の実験の日程が押してるんです!」
カーグ「・・・・わかった、捕まえてやろう」
そう言うとカーグはバーンズの手首にガチャリと手錠を架けた。
バーンズ「な、何をするんです!? 私じゃなくてあいつを・・」
ルッツ「うるさい!この変質者!」
サニア「ブタ箱でじっくり頭冷やして来なさい」
こうしてバーンズは警察に引き渡された。
サニア「ふう、一件落着ね」
ルッツ「ん?でも何か忘れてるよーな?」
ポコ「そういえば・・・・・・あっ!ペットだよ!早く捕まえ・・じゃなくて退治しないとッ!」
その後彼らは一晩かけてペットを狩ることになる。しかし、間違ってピエールまで警察に
引き渡してしまった事に気付く者はいなかった。  ピエール・ベロニカ・・・再起不能(リタイア)
第13話、tani
ぶぅんっ!!
子供の背丈はあろうかという剣が風を切って異様な音を立てて振り下ろされた。
それを操るのはカーグ。剣は・・・ルッツの指数センチの所で止まっていた。
カーグ「・・・死を覚悟したことはあるか?」
震え上がっているルッツに、平然と言った。
今日が彼らにとって人生で最悪な日になるのは明白だった。
ギルドの仕事をあらかた片付けて、次の町に向かう事となった。
運良く荷物運びの馬車に便乗できたがよりにもよって盗賊団に会い、馬車の持ち主は逃走。
盗賊撃退はたやすかったものの、馬車まで爆破。
残った荷物は串1本分の肉のみだったのである。
そして、この肉の分配で口論している間にルッツが抜け駆けしようとしたのだ。
ルッツ「死って・・・串肉1本だぜ!?」
サニア「時と場合によるわ」さりげなく尋常じゃない量の武器を準備しながら。
カーグ「本題に戻るぞ。この肉を全員で一口づつ食って別の馬車が通るのに賭けるか。へたすりゃ仲良く飢え死に。
    それとも1人で全部食って体力つけて近くの町まで助けを呼びに行くか」
ヨナン「助けって・・・まだ馬車で行くはずだった町まで半分しか走破してないんですよ!?」
ルッツ「ちょうど半分ってとこがきついよな戻っても変わりないし。」
ポコ「それに町まで約2,30キロはあるよ!?」
サニア「女性は尊重すべきよ」
他の男達が一瞬。恐らく1秒もしない内に目を交わし、同時に、即座に答えた。
一同『却下』
サニア「なんですってー!?」
カーグ「こんな時だけ女になるな!!」
ヨナン「やめて下さい!!無駄な体力消費は控えるべきです!!」
サニア「・・・思ったんだけどさー。死ねば食いぶちが減るわよね。」
カーグ「弱肉強食ってか?確かにこれだけ来りゃ死人が出てもおかしくねーな」
完全に目が据わっている2人。他の3人を見ながら何事も無いかのように言った。
怖さで隠れる3人。
ポコ「分かった!!分かりました!!僕いりません!!」
ルッツ、ヨナン「いりません!!」
カーグ「これでお前だけだ・・・」
サニア「あんたと私。どっちが生き残るか・・・」
カーグ、サニア「決着をつけるぞ!!!!」
両者激突と思われたその時!!(続く)
第14話、B−Co
???「ついに見つけたぞ!カーグ!!!」
カーグとサニアの2人が激突!と思われた瞬間、1人の魔族の男が空間転移して、
一行の前に現れた。
サニア「何なのよ!アンタ!!邪魔するんなら容赦しないわよ!」
カーグ「・・・!お前はダーク!!!」
カーグが驚きの声を上げた。
ダーク「久しぶりだな、カーグ!」
ポコ「知り合いなの?」
カーグ「ああ。こいつは・・・。」
ダーク「俺はあの時の屈辱、一時たりとも忘れはせん!!!」
ダークは興奮しながら語り始めた。
ダーク「俺たちはかつて、甲子園の決勝戦で戦った!だが、最後の最後で逆転満塁
    サヨナラホームランを貴様に打たれ、敗北した!!その時俺は誓った!
    必ず貴様を倒し、ドゥラゴ学園の威信を取り戻して見せると!!!!」
ルッツ「な、何かスゲ〜話だな・・・。」
ダーク「あの日以来、俺は一日たりとも野球とセパタクローの訓練を怠った日はない!
    覚悟しろ!カーグ!!!」    
カーグ「みんなは手を出さないでくれ!こいつは俺がやる!!」
サニア「・・・勝手にしなさい。」
カーグとダークの2人が臨戦態勢に入る。
ルッツ「なぁなぁ、セパタクローって何だ?」
ポコ「えっと、確か足でするバレーボールみたいなものだったと思うけど・・・。」
ダーク「いくぞ!うなれ爆炎!セパタクローフレイム!!!」
ルッツ&ポコ「全然ちが〜う!!!」
カーグ「テコンドオォーーフィィールドオォォーー!!!」
障壁が炎を打ち消した。

インチキテコンドー対インチキセパタクロー!
2人の勝負の行方は・・・!?
第15話、軽犯罪組織
ダーク「うおおお!セパタクロー・チョップ!」
カーグ「負けるか!テコンドー掌底!!」
ポコ「二人とも・・・せめて足技で戦おうよ・・・・」
ルッツ「何を今さら」
サニア「ちょっと待ちなさい!さっきから何私抜きで進行してんのよ!私も混ぜなさい!シャッフルショットォォ!!」
サニアの乱入で戦況は収拾のつかない三つ巴と化した。
サニア「わざわざ干し肉の為に来るなんてご苦労ね。でもこの戦い、一国の王として負けられないのよ!」
ポコ「個人的な理由にしか思えないけどねえ」
ルッツ「干し肉狙ってきたのとも違うよなあ」
ダーク「干し肉の匂いに引かれた事は認めよう。しかし!今重要なのは、カーグ!貴様を倒す事だ!」
ポコ&ルッツ(干し肉狙いだったのー!?)
チョンガラ(ふふふ・・追いついたと思ったら、何やら干し肉を巡って争っとるわい。さてはあの干し肉、
ただの干し肉ではないな!いただきじゃ!)突然、チョンガラが茂みから飛び出し、干し肉をかっさらい
道の脇の森に消えた。
カーグ「あっ!あの野郎!」
サニア「待ちなさい、この身の程知らず!!」
カーグ達三人も、後を追って真っ暗な森に駆け込んだ。蜂の巣をつついたように騒がしかった街道筋が急にしんとなる。
・・・近づいてくる荷馬車のわだちの音を除いて。   
ポコ「・・・ねえ、どうする?」
ルッツ「どうするって、仲間を置いていくわけにはいかないだろ・・」
商人風の御者「ん?何だ君らこんな時間に?中でシチューでも食ってけよ、安くしとくぞ?」 
ルッツ「さよならカーグ、おまえらの事は忘れないぜ・・・」
ポコ「・・・変わり身はやいね、君」

森に彷徨いこんだカーグ達の運命は?
第16話、とっしゅwラブwあ〜く
森の中を彷徨う一つの影…その人はトッシュ・ヴァイア・モンジだった。
トッシュ「ちっくしょう!!迷っちまった〜!ってか何処だ!?ここ!!」
ついてねぇな〜…とか呟きながら、トッシュが適当に歩いていると
突然ガサガサと言う音がして、何者かが木の影から飛び出してきた。
トッシュ「うあっ!?な…何だてめえ!!」
モンスターか?と思ってついつい斬りすてた物が、ドサリと地面に落ちる。
そこで、トッシュが目にしたものは…

トッシュ「ほ…干し肉……」
 ずっと森の中を彷徨い歩いていたトッシュは
空腹感のためか、たった今自分が斬り付けた人間…チョンガラには気づいていないようだった。
トッシュ「干し肉か…丁度腹も減ったし、食うか…。」 と、干し肉を手に取り
あ〜ん♪と、おもむろに口に放り込む。
トッシュ「ん!?ん〜☆うめぇ〜〜!!腹にしみるぜ♪」

それから数秒たってちょうどトッシュが、干し肉を食べ終わったその時☆
トッシュ「…?何の音だ??…
         ・・……・う、うぎゃぁ〜!!何なんだぁ!!!!!!!!」

―トッシュは、瞳を血ばらせ自分のもとへ走ってくる3人の悪魔を目にしたのだった…―
第17話、虚空
カーグ「こ・・この野郎よくも肉を・・!!ゆるせねぇ!!」
トッシュ「だれだてめぇ!やるきか!?」
カーグ「当たり前だ!くらえ!テコンドーブーメラン!」
カーグの手からブーメランが放たれトッシュを狙い飛んでゆく。トッシュは間一髪かわした。
トッシュ「テコンドーとはなんのかんけいもねぇじゃねえか!!」
サニア「ふーん・・あんたそんなこと言えんの?」
トッシュ「サニア?!なんでここに・・?」
サニア「証拠写真だってあんのよ!あんた以前刀上にブン投げて敵攻撃してたでしょ!」
(アークJ参照)
トッシュ「ぐ・・・てめぇどっからそれもってきた!!」
サニア「そこで転がってるヒゲのツボの中からよ。」
トッシュ「なんでもってんだこのオヤジ・・?」
サニア「とにかく肉たべたことは償ってもらおうかしら?」
トッシュ「やるってのか・・かかってきやがれ!」
サニア「あんたみたいな平仮名ばっかでしゃべるバカが勝てると思ってんの?」
トッシュ「ぬかしやがったなぁ!!叩っ斬るぞこの野郎!!」
カーグ「今ごろ直してもねぇ・・」
(夏休み増刊号へつづく)
第18話、軽犯罪組織
チョンガラは焦っていた。今、彼の側で4人の戦士が激突しようとしていた。それだけなら良かった。
しかし、チョンガラは丁度4人の中心にいた。呑気に観戦するには余りに危険な位置である。
カーグ「戦いの原因は消えた・・次の一撃で決着をつける!」
チョンガラ「ちょ、ちょっと待て!それなら戦いをやめればいいじゃろ・・」
4人「うるさい、黙れ!!」
凄まじいエネルギーが4人に集中する。
チョンガラ「だー!やめろー!やめてくれー!!」
そのとき、急に召喚の壷が光を放ち始めた。 「な、なんだ!?」辺りに充満したエネルギーが、壷の中に吸い込まれていく。
サニア「これは・・何てこと!エネルギーが触媒となって、壷の力が暴走したというの?」
カーグ「説明ご苦労様だな」
トッシュ「んなこと言ってる場合かー!!」
ダーク「す、吸い込まれる!?」
チョンガラ「あーーーーれーーーーー・・」5人が次々に吸われていく。光が収まったとき、
そこには彼らの姿も、壷の姿もなかった。

カーグ「うっ・・・」うっすらと意識が戻ってきた。何が起こったのだろう。頭ががんがんした。
気分が悪かった。そして体全体が異様に熱い・・・・熱い?
カーグ「ぎゃああああああぁーちちちちち!!!?」あまりの熱さに彼は飛び上がった。
そして熱かったのが何か理解した。彼は風呂桶ほどもあるスープ鍋の中にテレポートしてしまったのだ。
料理人「な、な、何あるか?」仰天して振り向いた彼が目にしたのは、自分の宿の大鍋の中で大の男が入浴しているという、
有り得ないまでにシュールな光景だった。泡を吹いて床に倒れる料理人。
カーグ「ちょっと待・・熱!!熱いってば!俺を引っ張り上げてから気絶してくれー!!」
聞き覚えある声「なんだ今の悲鳴は!?」聞き覚えある声「厨房の方からだよ!」
二人分の足音が近づいてくる。そして・・・   
ポコ「か、カーグ!?何やってんのそんな所で!?」
ルッツ「何だよ、腹減ってるからって鍋に飛び込む事・・」
カーグ「いいから早く助けてくれー!!!」
二人掛かりで引っ張り上げられた彼は、やっと鍋から脱出した。
ポコ「いったいどうしたの?」
カーグ「解らん、壷の中に吸い込まれたと思ったら・・待て。 おまえらは一体何やってる?」
ポコ「(ギクッ)い、いやほら、あのまま森に入って離れ離れになるより・・」
ルッツ「そうそう、次の町に先回りした方がなあ」
カーグ「とぼけるな!俺を置いていこうとしやがったな! 天誅を下してやる!」カーグは剣を振り下ろした。
ルッツ「ま、待て、落ち着けって!」
カーグ「ふざけんな、刺身にしてやる!」
ポコ「お、恩知らずー!!」
カーグ「誰が恩知らずじゃあああぁー!」
おバカコンビ「ぎゃああああーーーー!!」
その頃鍋の底では、トッシュとチョンガラがすっかり食べ頃に煮上がっていた。
第19話、ガイア
トッシュ「で?なんで俺がお前らと一緒に行動せにゃならねぇんだ」
ダーク「おれはな、カーグ!てめぇにリベンジできればそれでいい!」
チョンガラ「わしはお宝さえゲット出来れば何処までも付いて行くがの!」
サニア「五月蝿いわね・・・地獄の一歩手前まで送ってやってもいいのよ」
3人「シーン・・・」
新たに3人を加え、カーグ一行はポコ&ルッツが先行していた街で新たにギルド仕事を開始した。
カーグ「今回の依頼は「ふとっちょのために至高の美食材ゲット」、か」
ポコ「「至高の美食材」って何だろう?」
チョンガラ(ふひひ・・・金のニオイがするわい)
ルッツ「行って見るしかないぜー!どんなアイテムなんだろうな〜!?」
ルッツがウキウキで依頼主の泊まっている宿へダッシュして行く。カーグ達も慌てて後を追った。

ふとっちょの美食家「至高の何とか、という果実がこの街の近くに流れる河のほとりにあると
いうウワサなんザマス!さっさと取ってくるザマス!」
カーグ「いや、でももうちょっと何か具体的な話はないんですか?形とか、色とか」
ふとっちょの美食家「ハンターなら自力で探し出すザマス!」
双子の子供たちが「もう美食はこりごりだよー」「ねー」とか言っている。
サニアが美食家の態度にキレかかっていたので、カーグ達は早々に宿屋から立ち去り、河原に向かった。

ポコ「至高の果実・・・「至高」って付くのは少なかったと思うけど」
カーグ「この辺りで果実のなってる木を探すんだ」
程なく木に登っていたルッツがリンゴの実をゲットした。
ルッツ「これか!?」
トッシュ「そんな感じだろ。とっとと宿へ戻ろうぜ」

ふとっちょの美食家「おぉ、これザマス!・・・美味しいザマス!有難うザマス!」
ルッツ「よっしゃー、依頼大成功だぜー!」
カーグ「だな」
サニア「さっさとギルドへ行って次の依頼請けるわよ!」
一同「へ〜い」
このとき一行は気付かなかった。チョンガラがいないことに。

チョンガラはまだ河原に居た。
チョンガラ「ひょひょひょ・・・わしも至高の果実、ゲットしたぞい!あ〜ん・・・」
口にした瞬間、ビリッ!と電気が走ったかのように体が痺れて来る。
チョンガラ「し、しまった・・・」
チョンガラが食べた果実は痺れるりんごだったのだ・・・。
動けないチョンガラはまたしてもカーグ一行との距離を開けてしまった。。。
第20話、イージス・ファング
一行が取った宿から数キロ程先の小川。夜分なことも手伝い、夏だというのに辺りには涼しい風が吹いている。
しかし、そこを急ぐ3人はとても夕涼みといった雰囲気ではない。 ルッツ「うまくいったみたいだな」 
ポコ「追ってきてないかな?」
カーグ「大丈夫だ・・追って来れない理由がある」遡る事数時間前、宿の一室では・・・

カーグ「もう限界だ」
ポコ&ルッツ「・・・・・・・」
カーグ「正直、サニアは戦力としては一級だ・・だが」
ポコ「皆まで言わなくていいよ・・解るから」
ルッツ「で、俺たちに話を振ったのは・・」
カーグ「協力してもらうためだ」 「協力?」
カーグ「サニアを撒くのは並大抵の事じゃない。全員で逃げても無駄だ。だが、分散すれば・・・」
ポコ「貧乏クジ引くのは一人で済む?」
カーグ「そういう事だ・・それに、元々お前等には関係ない旅だろ?」
ルッツ「・・・・いまさら何言ってんだよ、そりゃ初めは嫌だったけどよ」
ポコ「ねえ?」
カーグ「・・気持ちは有難いが、まとまって行動したら・・・」
ポコ「大丈夫。いい方法があるんだ」
ごにょごにょごにょごにょ・・・・
カーグ「なるほど・・・その手があったか・・・」
ポコ「でしょ。へへ、見直した?」
ルッツ「そううまくいくか?」
カーグ「!!(電球)・・・いや、ちょっと手を加えよう。だからな、ごにょごにょ・・・」
ポコ「あ!頭いい!ちょっとトッシュがかわいそうだけど」
ルッツ「おい、これってひょっとして・・」
カーグ「ああ、いけるはずだ。決行はもちろん今夜丑三つ時。・・・しくじるなよ!」 
そのころサニアはダークの体の精密検査(強制的)をしていた。
来たるその夜の、人生二度目の敗北を知る由も無く。
第21話、tani
カーグ「サニア、今度の仕事なんだけどさ。この近くの森に夜な夜な出没する辻斬り魔を退治するってんだが
女しか襲わないそうなんだ。受けちまった以上断れないし、引き受けてくれないか?
俺たちは別の仕事を片付けるからさ」
サニア「辻斬り魔??つまり相手は一人よね。ずいぶん楽そうじゃない」
カーグ「まあお前ならそうだろうケドさ、結構被害が出てるらしいんだ。○○時に出てくるらしいから頼んだぜ」
サニア「オッケー、任しときなさい!」

一方こちらはポコとルッツ。
ポコ「トッシュ、ギルドやってていい話が入ったんだけど」
トッシュ「ん?なんだい?」
ルッツ「この近くの森に出てくるモンスターが頭のいい奴でさ、自分で飲むために
酒を造っているらしいんだ。ハンターで倒した奴が結構おいしいって評判になってるんだ」
酒と聞いてトッシュの目が輝いた。
ポコ「○○時によく現れるらしいからいってみたら?」
トッシュ「おっしゃ分かったぜー!!」(続く)
第22話、tani
その夜トッシュは言われた時間に現れた。モンスターがよく現れる時間まであと10数分。
いつも以上に目を血走らせたまま刀を持ったトッシュは端から見たら
殺人鬼の類にしか見えないだろう。
その時・・・
「ガサガサッ・・・・」
すぐそこの木々がゆれる。何かいる?
迷わず飛びかかるトッシュ。
しかし相手は獣だったらしく夜目が効くようだ。あっさり避けられる。
トッシュ「モンスター!?こいつの事かっ!!!」
奇妙な甲高い鳴き声を発しながらそのモンスターらしき者は森の奥へと走り出した。
すかさず追いかけようとしたその時、後ろから自信満々な声で叫んだ者がいた。
「見つけたわよ!!ここに出没する辻斬り魔ってあなたね!!成敗してやるわ!!」
サニアだった。しかしどっちも明かりの類を持っていないので全く気付かない。
トッシュ「うるせえ!今忙しいんだ!狂言は後にしろ!!」
サニアを無視して走り出すトッシュ。
サニア「きょ、狂言ですって−−!??変質者の分際で、もう許さないわ!!」
同じように走り出すサニア。

モンスターを追ってたどり着いた場所は崖に面した洞窟であった。
森は山を取り囲むようになっていたのでおそらく森を抜けて山のふもとの辺りまで来たのだろう。
洞窟は夜な事もあって全く何も見えない。森は木々の間からの月明かりで少しは明るかった。
しかしそれすらないこの洞窟は、まさしく深淵の闇というものであろう。
入ろうか入らないか迷ってるその時(続く)
第23話、柏の寿司丸
「やっと追いついたわ・・さあ,観念なさい。この,女の敵!!」トッシュの背後から,
それはもう,恐ろしい形相のサニアが叫んだ。薄暗くてよく見えないのが幸いだ。
「まだ,ついてきたのかよ。おまえにゃ関係ねぇ。俺はこの洞窟逃げ込んだモンスターに
用がある。っつーか,そいつが持ってる酒にな・・」「ふっ。随分と意気地がないのね。
いいから神妙にお縄につきなさい!」「(ひとの言うこと聞きゃあしねえ・・)おっ,そ
ういや,あいつに貰ったこれがあと一つ残ってる。これを使うか・・」ごそごそ。
「何!!やる気なのね。望むところよ」サニアは杖を取り出して応戦の構え。しかし,ト
ッシュが取り出したのは・・「あばよ,姉ちゃん。一人で遊んでな。そら,空蝉の玉!!」
ぼん!と辺りには煙が立ちこめる「ちぃぃぃぃっ!しまった!この卑怯者!姿を現しなさい!」
サニアは無人の空間に向かって叫び続ける。
 まんまとサニアを巻いたトッシュは一人洞窟の奥に向かう。「洞窟に用がある」と言って
おいて「まいた」もないもんだが・・ひんやりした漆黒の道を進んでいくと,何やら奥から
明かりが漏れてくるようだ。「まったくしつこい女だぜ。おっ,何かいるようだな。奴か?」
ちゃりん,と刀を抜いて油断なく進む。さて,この先に待っているのは・・
第24話、軽犯罪組織
刀を構え、そっと覗きこむトッシュ。そこには何やら中年くらいの人影と、炭火で何かを煮たてている壷が・・・壷が。
トッシュ「酒ーーーーーーーー!!!」彼は猛然と中へ飛び出し、人影に一閃を浴びせた。
人影「ふぎゃっ!」たちまち血しぶきが飛び立ち、部屋をほの明るくしていた蝋燭をかき消した。
「さーて邪魔は入らねえ、さっさといただくとするか・・・・よっ・・」中身を一気に飲み干すトッシュ。
「・・・・。・・・・?・・・・!!酒じゃねえ!?」中に入っていたのは、ギトギト油っこい味のスープだった。
「あんのヤロー、またガセネタつかませやがって!これじゃ俺がバカみたいじゃねえか!!」

所変わってカーグ達は、既に荷物をまとめ、先を急いでいた。
カーグ「この山間の道は地元にも知ってる奴が少ない・・・予定のルートとは違うがな」
ルッツ「サニアが追って来ても、俺達とは別の道に行っちまうわけか」
ポコ「でもトッシュ大丈夫かな・・。いくらお馬鹿でも、そろそろ気付くんじゃあ・・」

一方全く気付いていないトッシュ。「畜生、腹の虫がおさまらねえ・・こんにゃろう!」
彼は壷を思い切り蹴飛ばした。その時、急にその壷・・召喚の壷が・・光り出した。
「う・・なに!?この感じ、こないだの・・うおお!?」またまた吸い込まれるトッシュ。「うおおおーーーー・・・・」

ようやく空蝉の球の煙を脱出し、後を追ってきたサニアは、奥の部屋で何かが光るのを見た。
(何事!?)光が収まった部屋に駆け込むと、そこには・・ダークが立っていた。
ダーク「な、なんだこれは!?・・・!この壷・・まさかこれに引き寄せられたのか!?」
すっかり忘れられていた彼は、宿で熟睡していたのだった。サニア(ゴゴゴゴゴゴゴ・・・)「あんたねえ・・・・・」
ダーク「な、なんだ!?どうしたんだ!?一体ここはどこ・・・」 サニア「もんどうむよぉぉぉぉう!!!」
洞窟から爆発音が響く。哀れダーク、そして最初にぶった切られたチョンガラ・・・
第25話、tani
洞窟の中でもう動けるのはサニアのみになっていた。
仕事を終えて帰ろうとしたその時、彼女は見つけてしまった。召喚の壷を・・・
サニア「あれっ?何でこんな所に・・・」
倒れているチョンガラにはまったく気付いていない。その時、再び召喚の壷が光りだした!
サニア「えっ!ちょっちょっと!!」
そして洞窟で動けるものは誰もいなくなった。

サニアがいなくなったカーグ一行はさすがに夜も更けて来たので道のすぐそばでテントを張って
野宿の準備をしていた。なれた手つきでテントを建てるカーグとそれを手伝うルッツ。
ポコは1のセーブの時と同じようにスープを作っていた。
カーグ「サニアがいないだけでかなり違うな」
ルッツ「うん、かなり息が合ってるよな。結構いいメンバーかも」
ポコ「今日はのんびりできそ−」
カーグ「しかしダークの奴大丈夫かなあ。サニアの実験が失敗してミイラになったって聞いたけど」
ポコ「浴槽に沈めとけば1時間もせずに治るって言ってたよ」
ルッツ「乾燥ワカメかよ!」
それぞれの話題で盛り上がり始めたその時、山道の何もない空間から光が照りつけ始めた。
その光は次第に強くなり何も見えないくらいに輝きを強めると次第に弱まり始めた。
そして、その光があった場所には、なぜかサニアの姿があった。
サニア「あら、あんた達なにやってるの?っていうかここどこ??」
全く状況が飲み込めないサニア。
それ以上に何が起こったのかまるでわからないカーグ達。完全に放心状態であった。
その後、サニアを外そうという提案をする者は、誰もいなかった。
第26話、軽犯罪組織
ヨナン「ん・・・ここは?あれ・・サニアさま?どこですか?」
ダーク「サニアはここにはいないぜ」
ヨナン「あ、あなたは!?」
ダーク「あの女には随分な目にあわされたからな・・だが、お前は使えそうだ。人質って奴になってもらうぜ!!」
(続く)

ところかわってカーグ一味。道端でのんびりピクニックしてます。
ポコ「あー、こうやってのんびりするのっていいよねぇ」
ルッツ「・・あんたって外見の割にじじむさいな・・」
サニア「でも・・・何か、忘れてる気がするのよねえ・・」
カーグ「なにかって・・ん?鳥がこっちに飛んでくるぞ?」
ルッツ「足に何かついて・・お、伝書鳩じゃん」
サニア「私宛ね・・・・・・・・!!これは、脅迫状!!」
カーグ「ダークの字だ!」ポコ「ヨナンを人質に・・・って・・!!忘れてたーーーーー!!」
サニア「私を脅迫・・?ふふ、ふふふふふ、なめたマネしてくれるじゃない!あんた達!私は当分別行動よ!
留守は任せたわよ!」
カーグ「あ、おい!?」
ポコ「行っちゃった・・」
ルッツ「こっちに来たと思ったら・・忙しい奴」
カーグ「あの口ぶりだと、そのうち戻ってくるか・・先を急ごう」

次の町。ハンターギルドに向かった一行は、そこが随分賑わっていることに気付いた。
ポコ「あの、すいません、どうしたんですか?」 ハンター「ん?知らないのか?大仕事だよ、大仕事」
カーグ「大仕事だって?」 ハンター「そうだ。最近越してきた富豪が、女怪盗の予告状を受け取ってな。」
ポコ「富豪?女怪盗?エルクに聞いたような・・考え過ぎか。」
ルッツ「・・・怪盗!」カーグ「な、なんだルッツ?」
ルッツ「どうしたもこうしたもあるかー!!怪盗だろうが、盗みのプロ、ルッツ様に敵う訳がないぜー!!
しかも女!うおおおー!!俺様の見せ場だぜーーー!!!」
ポコ「いや、別に盗みの腕を競うわけじゃないんだけど」
金髪の青年「ふっふっふ、それはどうかな?」
カーグ「!・・誰だ!?」
ルッツ「あっ!おまえ・・アルバー!?」
アルバー「おやおや、誰かと思えばアレクのおまけじゃないか。悪いけどこの仕事は、
このキャプテン・アルバーがいただきだよ!」
第27話、tani
夜風が気持ちよい星空の下、なぜかお調子者のルッツとアルバーの二人は同じ場所の警備を
任されていた。ハンターとして雇われたのにも関わらず外の警備員のメンバーと一緒に
館の玄関前を任されてしまったのだ。
ルッツ「何で俺らがこんなところをやらないといけねーんだよ!!」
アルバー「そーだそーだ!!なんでハンターの俺が警備員やこいつと一緒なんだ!!」
ルッツ「こいつってどういう事だ!!」
アルバー「お前の事に決まってるだろ!!」
ルッツ「なんだとー!!」
アルバー「なんだよー!!」

ポコ「あの二人ってなんか似てると思ったけど息もぴったりだね!」
カーグ「確かに。まあそれは置いといて、とりあえず俺たちは自分の警備する所に向かおうぜ」
ポコ「そうだね!でさあ宝ってどこだっけ?」
カーグ「ん?・・・そういえば聞いてなかったな。場所分かんないんじゃ守りようがないし
    仕方ないな、主人にもう一度会って聞くか。」

カーグ「ご主人!・・・えーと・・・」
主人「デックスです。ミスターデックス。」
大柄で威厳たっぷりのスーツに身を包んだ男だった。どこか派手過ぎる気もしたが。
カーグ「そう、それ!で、警備を任されたのまでは聞いたのですが、どこにその宝が?」
デックス「おお!私とした事が場所の説明を忘れてましたね。実はこの応接室にあるんです」
カーグ「ここに!?」
デックス「そうです。この館の見取り図がこちらなんですが・・・」
確かにその館だった。しかし何かが違っていた。
カーグ「・・・ん?」
デックス「お気付きになりましたか?」
カーグ「ここって・・・」
カーグの指したのは丁度この部屋。応接室だった。隣に見取り図にしかない部屋があった。
デックス「その通り。隠し部屋があるんです。宝はそこに・・・」

ルッツ「あぁーーー!!もう我慢ならねー!!俺は泥棒と戦うんだ!!」
アルバー「チョッチョット待てよ!!持ち場を離れんなよ!!」
そんなこんなをやってる内に、館の様子が変わった。
「うわぁ−−−−−−−!!!」(続く)
第28話、B−Co
突然、爆音と共に大勢の人間が廊下の壁を破壊して侵入してきたのだった。
「うわぁーーーーーー!!!」
同時に明かりが消され、混乱しているミスター・デックスが叫び声を上げた。
カーグ「くっ!?何が起きたんだ!!?」
ポコ「真っ暗で何も見えないよ〜!?」
状況が混乱していく中、カーグは冷静になって、周囲の会話を聞き取った。
すると、廊下の方から怪盗の一味と思われる者達の会話が聞こえてきた。

女怪盗ルージュ「今のうちだよ、アンタ達!しっかり働くんだよ!!!」
ドクスン「分かってまさぁ!野郎共!1つ残らず宝を回収しろ!!!」
虹色の橋団団員「分かりましたぜ!お頭!!!」
カーグ(・・・!?まずい!!!このままでは依頼主の財産が奪われてしまう!
    何とかしなくては・・・!)
段々、暗闇の中でも目の慣れてきたカーグは、1人廊下へと駆け出していった。

ポコ「ど、どうしよう〜、カーグぅ〜・・・って、あれっ!?カーグはどこに
   行っちゃったの!!?置いてかないでよぉ〜〜!!!」

その頃、ルッツとアルバーは・・・
ルッツ「盗賊を倒すのは、俺様だ〜〜!!!」
アルバー「お前は配置場所に戻ってろって!!」
ルッツ「にゃに〜!そういうお前は何で付いて来るんだよ!」
アルバー「お前が戻らないと、僕の仕事が失敗になるだろ!!」
・・・などと言い争いながら、屋敷内の怪盗とは無関係な所を疾走していたのだった・・・。
後日、アルバーの仕事が失敗に終わったことは、言うまでもあるまい・・・。(続く)
第29話、tani
廊下に出てまず最初に待っていたのは女だった。盗賊というのには似つかわしくない、
おとぎ話の魔法使いを連想させた。そのすぐ近くにしもべらしきモンスターがいる。
そしてこれは盗賊らしい姿をしていた銃を持った怪しい格好をした男達が約6人、並んでいる。
わざとらしいくらいのリアクションなので、こいつらもどこかおとぎ話の劇を連想した。
相変わらずの暗闇のせいで、まだいるかもしれないがそれは分からなかった。
ルージュ「おや、なかなか元気なボウヤだこと。あなたもハンターなの?」
カーグ「お前がこの盗賊団のリーダーか!まさか女だったとはな。」
ルージュ「フフフ、ずいぶんな言い方じゃないの。その扉を守ろうとするという事は
     その奥に宝があるのね?」
カーグ「ずいぶんな洞察力だが、そんな事も調べずに来るとはお気楽な盗賊だな。」
ルージュ「それはあなたの事じゃないの?」
カーグ「なに・・・?」
ガシャー−−ン!!!
カーグの反応に合わせるように自分のいる場所の裏の部屋からガラスが割れる音がした。
カーグ「ま、まさかこいつら・・・おとり!?」
ルージュ「さあ、この状況。あなたならどうする?」
カーグ「・・・この場所を戻ればはさみうちになる。こいつらを秒殺して速攻で戻るしかない!」
ルージュ「正しい判断ね。この状況で冷静でいられるなんてやるじゃない。
     さあ・・・やっておしまい!!」(続く)
第30話、B−Co
「うおおぉぉーーー!!!」
「でやああぁぁーーー!!!」
強盗団は一斉にカーグに襲い掛かった!
カーグ「何のっ!テコンドォーー・バーストォーーッッッ!!!」
カーグはエクストラクトの様な周囲に衝撃波を放つ技を繰り出した。
「うわああぁぁーー!!!」
「ぬおおぉぉーーー!!!」
意外にも、強盗団はあっけなく倒れていった。
ルージュ「ちょ、ちょっと、アンタ達!なんだいこのザマは!!!」
ドクスン「め、面目ねぇ、お頭・・・。何せ、あっしら皆んなレベル20未満な
     もんで・・・。」
ルージュ「キィーッ!使えない奴らだね!!!まあいいさ!今日の所はこの位にして、
     後は本隊にまかせるとするかね!」
そう言うと、女怪盗は杖を振りかざして、仲間と共に空間転移して逃げていった。

カーグ「逃げられたか・・・。とにかく、今は宝を守らないと!!」
カーグはすぐに宝の部屋へと向かった。

???「これが宝・・・。囮部隊が護衛を引き付けている内に回収しなくては・・・。」
カーグ「待てッ!そこまでだ!!!」
カーグがドアを開き、部屋に侵入するとそこには1人の人物がいた。
と、丁度その時、消されていた照明が再び点いた。
カーグ「お、お前はッ・・・!!!」
カーグが驚くこの人物とは一体・・・!?(続く)
第31話、tani
煙幕の中その各誌部屋の中に居たのは1人の男だった。いや、煙の中にもう1人いる
「み、見つかったぜブラザー!!」
「ああ、見つかっちまったぜブラザー!!」
こぶし大のダイヤを今にも手にしようとしているかなり旧式の銃を持つ男。
そのすぐそこに煙の色で分からないがスーツに帽子の男がいた。その2人だけだった。
「さっさと逃げるぜブラザー!!」
「でもこの部屋に窓は無いぜブラザー!!扉はあいつが塞いでるぜ!!」
カーグ「・・・・・・・」
まるでコントである。こいつらが盗賊団の主力?あっさりと捕まる2人組だった。

デックス「ようやく終わったようですな。」
煙幕も消え、警備員が集まった広間に2人は縛られていた。
「大盗賊の最後はあっけないものだなブラザー!!」
「ああ、意外とあっけなかったなブラザー!!」
ポコ「ようやく終わったんだね!良かったー!・・・あれ!?」
何処に隠れていたのか。ようやくポコが姿を現した。捕まった2人を見て疑問符を浮かべている。
カーグ「ポコ、こいつらを知っているのか?」
ポコ「いや、知ってるって訳じゃないんだけど、前にあったとき
   僕達の事を大盗賊と勘違いしてた人なんだ。」
カーグ「・・・何処をどう間違えればそうなるんだ??」
ポコをまじまじと見ながら言った。
デックス「まあとにかく、親玉には逃げられてしまいましたがあなた達の仕事だった宝を守るは
     大成功だったと言えるでしょう。やはりハンターに任せて正解でしたね。
     また何かあったら依頼しますので宜しくお願いしますね。」

カーグ「そういえばルッツは?」
ポコ「アルバーもいないね」
近くの警備員に聞いたところ・・・
「あぁ、そいつらだったら館の近くで怪しい小競り合いをやっていたんで
 変な壺オヤジと一緒に捕まってるぜ」
結局、警備員に何度も謝って釈放してもらうことになったのだった。
第32話、軽犯罪組織
警備の仕事が終わった一行は、宿でゆっくりと骨休めをしていた。
カーグ「ふう・・・いい湯だ。温泉地に来るのも久しぶりだな・・・」
ルッツ「そういやアルバーのヤツ見かけないな・・・」
カーグ「まだ部屋でエネアさんたちに搾られてんだろ・・・まあ仕方ないけどな・・・・」
ルッツ「なんだー?それは俺への皮肉か?」
カーグ「いや・・でも考えてみろ、サニアがいたらお前搾られるどこじゃ・・」
ルッツ「それなんだよなー、ほんとあいつがいないと楽だぜ。いっそ帰ってこなきゃいいのに・・・」
ここまで話した時、突如ルッツの頭上に雷が降り注いだ。「ぎゃーーーーーーー!!!」
「う、うわ!?」湯船全体に電撃が走る。カーグはすばやく湯船から飛び出た。

数十キロ離れた駅馬車。
旅行者「お?姉ちゃん、面白い人形持ってるね、なんだいそれ?」
サニア「ふふ、誰かが私の悪口を言ってると知らせてくれるのよ」
旅行者「ははは、面白い冗談言うなぁ」
サニア「ほーほほほほほほほほほ・・・・フフフ・・・(ニヤリ)」

従業員「オーナー!落雷で露天風呂が全壊しました!」
旅館のオーナー「ぬわぁー!?こないだ踏み倒したNHK受信料のたたりなのか!?キエエエエェーーーー!!!?」
従業員「わぁー!?オーナー、落ち着いて!包丁を振り回さないでください!わ、わああああーー!!」
 
今回の被害
露天風呂・・・使用不能
ルッツ・・・全治一泊
オーナー・・・・神経性胃炎
従業員二名負傷
第33話、軽犯罪組織
ルッツ「ふぇー、ひどい目にあったぜー・・・・いきなりカミナリなんて、ついてねぇ・・・」
カーグ「ま、まあな・・・・(サニアが?いや、まさかなぁ・・・・・)それにしても、
ポコの奴は一体いつになったら売店から戻って来るんだ?」
ルッツ「風呂俺たち風呂行く前からだよなあ・・・勿体ねえ、露天風呂入り損ねてやんの」
カーグ(俺としてはむしろ運がよかった気もするが・・・・・)
          
一方の土産物屋、一時間半前
ポコ「うーん、このお酒トッシュに送ろうかな・・・・こっちの置物はリーザ達にでも・・・」
男「おい」 ポコ「う、うわ!?後ろから話しかけないでよ!・・・・・・誰?」
男A「よーくぞ聞いてくれた!」B「俺達は!」C「劇団!」D「虹色の橋団だ!!」
ポコ「昼間屋敷にいた人!?盗賊じゃなかったの!?」
男E「ふふ、それを語ると聞くも涙の聞かなくても涙・・」
団長「すべてはあの大災害・・・あの日に始まったのじゃ!!」  「はぁ・・・・・」
          
(現在虹色の橋団が、旅館の売店でドタバタ劇を公演中です。しばらくお待ちください。)
          
一時間半後 
団長「こうして我々は、捕まりかけた処をなぜか警備員が見逃してくれたのであーる!!」
ポコ(相手にしたくなかったんだろうなぁ・・)
団員「さあ、わかってくれましたか!?」
ポコ「ええと・・・劇団を開いて3年、未だに音響係がいなくて、お客が閑古鳥だったんだっけ?」
団員「そう!そこに、有名音楽家の君が現れたのだ!さあ、今日から早速練習に入ろう!!無論君のカラーリングは黄色だ!!」
ポコ「やっぱり?」
副団長「ちょっと待ちなさいよう!このお子様ランチを入れたら8人になっちゃうわよ!一体誰を外すのよう!?」
ポコ「あのー・・僕一応もうお酒飲める歳、じゃなくて入るなんて一言も言ってないんですけど・・・」
団員「何だと!?それはいかん、我々の状況をわかってもらうため、君を加えてもう一回さっきの劇を再演だ!!」
ポコ「ちょ、ちょっと!?」
副団長「あら、あんたよく見ると可愛いじゃない、私と一緒に女形で出てみない?ちょうどいい衣装があるのよぉ」
ポコ「いっ・・・・・・いやあああああああああーーーーーーーー!!!」
団員「なっ、なんだ!?う、うわああああーー!?」
          
数十分後
アルバー「お前らだな、旅館を爆破した犯人は!刑務所で反省させてやる、覚悟しろ!!」
団員「ち、違うんだ、犯人はあそこの兵帽・・・」
ベルガ「あんな子供なわけがあるか!さっさと歩け!!」
団員「ひ、ひぃー!叩かないで!」
ルッツ「よかったなー、アルバーの奴名誉挽回だぜ」
ポコ「君がそれを言うんだ・・・」
カーグ「でもあの犯人、やたらお前の方指差してなかったか?」
ポコ「ぎくっ・・・い、いや、気のせいじゃない?はははははは」
二人「?」
          
今回の被害
旅館一軒・・・・倒壊
オーナーはショックで寝込んでしまいましたとさ。
第34話、B−Co
サニアはダークのもとに向かって、街道を進んでいた。
サニア「待ってなさいよ!ダーク!!!私を怒らせたらどうなるか、
    身をもって知らしめてくれるわ。」
あと少しでダークの待つ街。という所で、サニアは
殺気を感じとった。
サニア「・・・!?誰よ!出てきなさい!!!」
すると、茂みから1人の魔族の少女が飛び出し、サニアに対し、
爪で素早く切りつけてきた!
???「たあぁぁーーー!!!!!」
サニア「くっ・・・!!?」
済んでの所で攻撃をかわし、サニアも臨戦態勢に入った。
サニア「あなた・・・何者・・・?」
デルマ「アタシの名はデルマ!ダークを狙っているヤツってのは、
    アンタのことかい!?」
サニア「そうだといったら?」
デルマ「・・・!!!ダークのハートはアタシのものよ!!!
    アンタなんかには譲れないね!!!!!」
サニア「・・・・・はぁ?」
デルマ「ダークを奪うヤツは、誰であろうと敵よ!!!!」
サニア「・・・やるって言うのなら、相手になってやるわよ!!!」
こうして、女同士の壮絶な戦いの火蓋が切って落とされた!
第35話、虚空
サニアとデルマの激闘中カーグ達は・・・
ポコ「次の仕事は〜?
カーグ「この近くに誰も使っていない館があるんだ。
    最近館にゾンビや化け物が大量発生しているらしい。
    その原因を調査して解決する、ということだ。
ポコ「えっ・・・ゾ・・・ゾンビ?
ルッツ「恐いのか〜?ポコ?なーに、こ・・・コノルッツ様がイレば、
    シ・・シシ心配ナイって!!
ポコ「声裏返ってるけど・・・
カーグ「(・・・・ひきうけなきゃよかったかも)
そして目的の館についた。
ポコ「なんか不気味・・・・
カーグ「よし・・いくぞ!
―そして館内
カーグ「結構薄暗いな・・・
ルッツ「おっ!みろみろ!「ショットガン」落ちてたぜ〜!
ポコ「アイテムあれば恐くないんだね・・・
カーグ「アイテム探すことで原因がわかるかもな・・・
カーグ達はルッツと共に館内を調べはじめた。
ルッツ「うーーーっし!アイテムアイテム♪
カーグ「ルッツ!あんまり1人で行動するな!
ドスン!!
ルッツが何かにあたり床に倒れる。するとルッツの前になにか落ちてきた。
ルッツ「いてて・・・なんだこれ・・・って人間の手〜〜?!
ルッツが持っているのは腐った人間の手だった。
そしてルッツが見上げるとそこには数体のゾンビがいた。
ルッツはゾンビにぶつかり、その拍子にゾンビの手がとれたのだった。
ゾンビ「かゆ、うま
ルッツ「うっぎやあああああ!!!
カーグ「どうしたルッツ?!
すぐさまカーグとポコがかけよってくる。
ポコ「うわああああ!でたああああ!!
カーグ「二人とも落ち着け襲ってくるぞ!!

はたして彼らは無事に仕事を終え脱出できるのか?!

今回の被害
ゾンビ(橋本さん)・・・右手
本人は「これじゃ趣味のハンマー投げができないじゃないか」
と、お怒りです。
第36話、tani
動きの遅いゾンビ達はいつのまにかもの凄い数になっていた。
パッと見た感じ8畳分くらいありそうな一室だが、その中にもう入れないほどのゾンビが入り口から
今も押し寄せてこようとしていた。
カーグ「いったいなんだっていうんだ!?この数は異常だぞ!!」
ポコ「まずいよ!このままじゃぁ・・・」
ルッツ「でもどうする!?この館はかなり老朽化していたぜ!!下手に大技でも出したら・・・」
カーグ「とにかく奥の部屋に逃げるぞ!!」
その部屋は、何かの研究所らしかった。
もう誰も使ってないらしく、埃にまみれた研究器具がいくつもちらばっている。
その時・・・
「うわあああぁぁぁーーーー!!!」
叫び声とともにカーグたちの目の前に現れたのは、ダークだった。
勢いで前のめりに倒れてすぐに起き上がる。縛られたヨナンも一緒だ。
カーグ「何でお前ココに居るんだ!?」
ダーク「そりゃあサニアにこっぴどくやられたから復讐にこのガキをさらっておびき寄せようとしたら
    拠点にしようとした館がこの有り様で・・・ってお前らこそ何でこんな所にいるんだよ!!」
カーグ「・・・言い争ってる暇はなさそうだぜ。」
カーグ達の来た方向の扉もダーク達の現れた方向もゾンビが押し寄せて来ていた。扉を打ち破ろうとしている。
カーグ「一時休戦だぜ。」
ダーク「そりゃそうだ。両方死んでは意味が無い」
ポコ「奥にマンホールがあったよ!!」
カーグ「でかした!ポコ!!急ぐぞ!!」(続く)
第37話、軽犯罪組織
カーグ「くそ!一体何なんだ、この館は!」
ダーク「どうも、アルバート上須加という男が変なウイルスの研究を
していた場所らしい。死体を活性化するとか・・・」
カーグ「その男は!?」
ダーク「かなり前に栗鼠というハンターが退治したらしい。」
ポコ「また版権ぎりぎりの名前を・・・」 ルッツ「版権?」
ポコ「とにかく、あいつらには剣より銃の方が効くはずだよ。
倒しても血痕が広がるまでは近づかないでね。死んだふりだから」
カーグ「??やけに詳しいな?」

一方、サニアはほぼ一撃で撃退したデルマを追い、アジトらしき
謎の洞窟に来ていた。奥から光が漏れている。かなり浅そうだ。
「さて、バカ正直にこの中で待ってるとも思わないけど・・・
とりあえず催眠ガスくらい撒いときましょうか」
そう言いつつサニアは、ガス弾を中に放り込んだ。
・・・・しばらくすると、中から大きな笑い声が聞こえてきた。
「あら・・・間違えて笑気ガスを使っちゃったわ」
デルマ「な、何、苦しい、助けて、死ぬ、ぎゃはははは・・うげっ」
サニア「・・・まあ魔族はタフだし、このくらい平気でしょう。
でもやっぱりヨナンはここじゃないみたいね」

その頃ダークは、カーグ達に盾に使われ死にかけていた。
第38話、B−Co
デルマを撃退したサニアは、ダークのいるはずである町に到着した。

サニア「ダークは人目のつかない、下水に忍び込んだ
    ようね・・・。地図によると、変な館に通じてるみたい
    だし、ここで間違いないわね。待ってなさいよ、ダーク!」
サニアはまっすぐに館へと行かず、下水へと入っていった。
サニア「ロマリアの下水を思い出すわね・・・・・あら?
    これは、何かしら・・・?」
サニアは下水にあった石に触ってみた。その瞬間、石が輝き始め、
サニアの体内に魔力が満ち満ちた!!!
サニア「これは…!?魔力が満ちてくる!!?ついに私も、ちょこ
    の様に覚醒したみたいね!!!待ってなさいよダーク!!
    地獄を見せてあげるわ・・・・!!!!!」

サニアが下水の奥へと進もうとした時、何者かが追跡している
気配を感じた。
サニア「追跡されてる・・・!?面白いわね!今は機嫌がいいから
    相手になってやるわ!!!」
サニアが振り返ると、サニアよりも1回り大きい体格のモンスターが
迫っていた!そして、持っていたロケットランチャーを発射してきた
!!!!!
追跡者「ウォォォーーーー!!!!!」
ズドォーーン!!!
サニア「無駄よ。ランダムダァーイス!!!」
だが、サニアが放ったのは「あの」ランダムダイスであった!
しかし・・・!!!今のサニアの魔力はオーバーヒート状態なので、
本来の最高ダメージである120ほどを遥かに凌駕するダメージを
叩き出したのであった!!!!ロケット弾は破壊され、追跡者は
砕け散った!!!
追跡者「グォォォーーー!!!」
サニア「フッ!ざっとこんなもんね!!!この魔力があれば
    恐いもの無しだわ!」
こうしてサニアは、ダークの下へと再び向かっていった。(続く)
第39話、tani
ゾンビたちを振り切り、カーグ達は入り組んだ下水道の中を出口を探して進んでいた。
カーグ「ようやくゾンビたちはいなくなったけれど、ここはどこなんだ?」
ダーク「あの洋館は使われなくなってから大分経ってが、恐らく下水道は町まで続いてるだろう。」
ポコ「ねえカーグ。思ったんだけどさあ・・・。下水道にもゾンビが何体かいたよねえ」
カーグ「俺もそれを考えていた。その内町まで向かうかもしれない。」
ルッツ「でもどうするんだ?ウイルスが原因なんだからおれたちには・・・」
その時、下水道の奥から何かが走ってくる音がした。
カーグ「ゾンビじゃなさそうだが・・・なんだ?」
「見つけたわよ!ダーク!!ヨナンを離しなさい!!」
サニアだった。だがいつもとは何かが違う。
サニア「カーグ!?何であんた達ここにいるの!?それにダークと一緒・・・」
カーグ「ああ。それなら・・・」
サニア「まさかあんた達グルだったのね!!シャッフルショット!!」
カーグ「な、何でそうなるんだよ!!」
問答無用とばかりに襲いかかるサニアをよけながら話す。
しかしその攻撃はカーグでは無くダークを捕らえた攻撃だった。
既にゾンビの盾にされて死にかけていた所からようやく回復し始めた所から逆戻りである。なぜかヨナンは無事である。
カーグ「なんだ!?前とは桁違いに威力が増してやがる!!」
サニア「私は覚醒したのよ!!私を敵にしたことを後悔させてやるわ!!」
カーグ「ここで戦うのはまずい。下水道だ、崩れたら共倒れするぞ」
サニア「今の私には関係ないわ!!この力があれば瓦礫なんて一瞬で消滅できるんだから!!これで終わりよ!!」
カーグ「そ、その構えは・・・まさか!!」
サニア「究極呪術、トータルアニヒレーション!!!!!!」
サニアの究極呪文が発動した。魔力が暴走し、全てが消えて無くなるかのように見えた。
かろうじてテコンドーフィールドで命中の瞬間に防いだので全員生きているが当分動けそうも無かった。
サニア「素晴らしい・・・。素晴らしいわ!!この力!!!」
たった一人立ちつくしているサニアは、高笑いしていた。
第40話、軽犯罪組織
カーグ「くそ!この前とは桁違いだ!」 ポコ「一体何が!?」
ダーク「石だ」 ルッツ「は?」
ダーク「あいつ、俺の切り札だった精霊石を持ってる。
あれのせいで、力がオーバードライブしているんだ!!」
ルッツ「何でそんな物をあっさり渡しちゃうんだよ!?」
ダーク「聞いて驚け!失くした!!」

三人「・・・・・・・・・・・・・・・・」
ダーク「元はといえばカーグ!お前を倒すための物だったんだ!
責任とって玉砕して来い!!」
カーグ「・・・・・・おい、いいよな?」
ルッツ「おう」
ポコ「ご自由にどうぞ」
カーグ「よし・・・・テコンドー・最強爆弾!!」
ダーク「ぎゃあああああーーーーーーーーーー!?」
カーグ「さて、元凶は爽やかに始末したが・・・・・・どうする?」
サニアはまだ高笑いをしている。石の影響か行動がおかしい。
カーグ「逃げるぞ!!」サニア「まァァちィィなァさァァァい!!」
ポコ「わあぁぁぁぁぁ!?追ってきたよぉ!!」
カーグ「ちっ!!テコンドー・スモーク!!」
カーグが煙玉をサニアに投げる。たちまち辺りが煙に覆われた。
カーグ「今だ!行くぞ!」 サニア「甘ぁぁぁぁい!そこ!!」
放たれたカードが目標を捉える。しかし命中したのはゾンビだった。
サニア「ぬうぅ!!ちょこざいな!かかって来なさい!!」
四方八方から無数のゾンビが襲い来る。
サニアはただそれを薙ぎ倒して行った。

ポコ「・・・・・・もう追ってこないね」
カーグ「テコンドースモークには魔物寄せの効果がある。
今頃はゾンビと格闘中だろうな」
ルッツ「でも・・追手が増えちまったな。これからどうなるんだ?」
第41話、B−Co
カーグ達は下水から脱出し、町外れの森で身を潜めていた。
カーグ「・・・今回の仕事は失敗だな・・・。」
ルッツ&ポコ「・・・。」

あの後、サニアが魔力を暴発させ、屋敷と地下下水全てを破壊して
しまったのだった。サニアとヨナンとダークは行方不明になり、
カーグ達は事件のとばっちりを喰わぬように、町から逃げ出した
のであった。
カーグ「・・・まぁ、ギルド仕事のおかげで、資金もたまったし、
    そろそろ帝国に侵入しても、問題ない頃だと思う。」
ポコ「でも、どうやって帝国本土に侵入するの?」
カーグ「それなんだが、実は、俺の仲間がこの時のために、飛空挺を
    整備してくれていたんだ。」
ポコ「えぇ〜!カーグ飛空挺持ってるの!!?」
カーグ「元野球部キャプテンのコネを使って、裏のルートから
    入手した貴重品だ。」
ルッツ「・・・元野球部のコネって・・・。」
カーグ「とにかく、俺の仲間がこの近くにいる。まずはあいつと
    合流しようと思う。」
ポコ「そうだね。それじゃあ行こうか!」
ルッツ「よっしゃ〜!!!」
3人が今まさに移動しようとしたその時であった。

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!
物凄い地響きと振動音とともに、1隻の戦艦が空中を
通り過ぎていった!!!
カーグ「・・・!!!あれは、帝国の戦艦メギスト!!!!!」
ルッツ「で、でか〜〜〜!!!」
ポコ「さっきの町の方へ向かっていくよ!!!」
カーグ「奴らが領土を拡大しようとするのは、資源である精霊石を
    集めるためだ。・・・まさか、サニアの精霊石を狙って
    ここまで来たのか!?」
ポコ「町に戻るの!?」
カーグ「・・・・いや、先に進もう。今、帝国の主力戦艦が本土を
    離れている・・・。これは、侵入する絶好のチャンスだ!
    サニアならやられることも無いし、俺たちは先に進もう
    !!!!!」

こうして、カーグ達は仲間の整備する戦艦の下へと向かった。
一方、サニアはゾンビを屋敷もろとも1撃で倒し、宿屋で
くつろいでいた。一応、ヨナンも救出したようである。
サニア「ンフフフフフ・・・!!!この魔力さえあれば、世界中を
    ミルマーナ領に・・・!!!!!」
ヨナン「・・・サニア様・・・目がイッちゃってますよ・・・。」
サニア「お黙り!ヨナン!!私は世界を手中に収める女よ!!!」
ヨナン「それじゃあ、ロマリアと一緒じゃないですか!?」
などと、2人が言い争っていた時であった!

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!
サニア「・・・!あれは・・・!?」
ヨナン「あれは、帝国の空中戦艦メギストですよ!!!」
空中戦艦は町の上空で止まり、そこから1人の人物が降下してきた!
第42話、tani
飛空挺から降りてきたのは、どことなくギャングの割と下っ端のようないでたちの男だった。
帽子にスーツ。胸ポケットには間違いなく拳銃が入ってるのであろう
それに続いて4人ほど同じ格好の男が現れる。
その男達は迷う事無くサニアが泊まっている宿に向かってきた。
サニア「さっそくお迎えって所かしら?」
ヨナン「何言ってるんですか!!まずいんでしょう!?」
サニア「まあ見てなさいよ」
約十秒後、階段を上る音と共にさっきのスーツの男達が現れた。
それに対して、扉に向かうように座ったサニアが口を開いた。
サニア「ずいぶんな挨拶じゃない?こんな町にあんな巨大戦艦で。」
スーツ「貴様が精霊石を持ってるのは分かっている。どうだ、取引しないか?」
サニア「おもしろいじゃない。で、どんな内容なの?」

一方カーグ達は、もう使われなくなった炭鉱をトロッコで走っていた。
ポコ「何でこんな道を通るの!?」
カーグ「俺達ニーデリア高校野球部の秘密基地支部がこの炭鉱にあるんだ。」
ルッツ「支部!?」
カーグ「数えた事はないんだが、本部と合わせて108位の基地がある。」
ポコ「ねえ、本当に野球部なの?」
ルッツ「その前に本当に高校なのか?」
カーグ「まあ確かに他の高校とは違うから戸惑うのも無理はない
    しかしほんとに高校だし野球部だ。
    授業として口から炎を吐ける練習をしたり1キロ先からの狙撃の練習をしたり
    爆弾解体の実習をしたりするだけだ。」
ポコ&ルッツ「どんな学校だよ!!」
カーグ「そろそろ見えてくるぞ!」
出口に差し掛かり、見えてきたその先は!!(つづく)
第43話、軽犯罪組織
カーグ「着いたぞ!ここが・・・・・・・・」
カーグは目の前の建物を大きく仰いだ。
「・・・・・・・ニーデリア高校!山間支部だ!」
ポコ&ルッツ「・・・・・・・・・・・・・・・。」
カーグ「どうした?」
ルッツ「なあ・・・これ・・・基地って・・・・」
目の前には木造でぼろぼろの学校校舎が建っている。
ここが地下でなく、鉄条網の絡みついた塀に銃眼が無ければ、
何の変哲も無い廃墟にしか見えない。
屋上から上がった「漢一匹一人旅」「人生苦あれば極苦あり」
などと書かれたアドバルーンが怪しさに拍車をかけている。
カーグ「ああ、ただの廃校にしか見えないだろう?
カムフラージュだ。人には言えないこともしているからな」
最後の一言を聞いて、ポコはのどまで出かかった一言を飲み込んだ。
カーグ「さあて、飛行船を取りに行く前にまず校長に会うぞ。」
そう言うと、彼は塀に設けられた門に向かった。
声「山!!」カーグ「川!!」 声「・・・よし、入れ!」
ルッツ「ひねりのない合言葉だぜ・・」ポコ「声紋認識じゃないの?

一行はエレベーターでさらに地下に向かった。
カーグ「(ここが校長室だ)・・・・失礼します!」
中では、上等のデスクに背の高い初老の男が座っていた。
「ほ、本校校長!?」カーグが急いで姿勢を正すのを見て、
両側の二人も慌てて同じようにした。
校長「いかにも!わしが校長の虎縞平八であーる!!
わしがここにいる理由、見当はついておろう?」
カーグ「は・・はい!、重要任務指令に当たって詳細を・・・」
校長「違う!校長って実はやることないから暇潰しに来たのだ!」
ポコ&ルッツ「・・・・・・・・・・・・・」
校長「それはそうと帝国潜入の件、期待しておるぞ!
飛行船はすでに用意してある、行って来るが良い!」
その時急に背後のドアが開いた。
チョンガラ「校長、掃除終わりましたぞい・・・・」
三人「・・・・・・・!!!!!!!!??」
校長「違ーーーーう!校長様だ!」
ポコ「あ、あの、校長・・・・さま、この人は一体?」
校長「ああ、ついこの間ここに迷い込んできてな、
秘密をも漏らすわけにはいかんし自分のことを王とかぬかすしな、
下働きさせて根性を叩き直しているのだ。知り合いか?」
ポコ「・・・っ、いえ、知らないです!見たこともないです!」
チョンガラ「あーーーーっ、おまえら、なぜここに!!?」
三人(しまった、気付かれたッ!?)
校長「なんだ、やはり知っているのではないか!ちょうどいい、
そいつに掃除させても逆に部屋が汚くなるばかりで困っていたのだ。
連れて行くが良い!」
カーグ「・・・・・判りました、ありがとうございます・・では」
部屋を出て飛行船ドックを目指す一行。
小躍りして喜ぶチョンガラを尻目に、三人の頭の中は
どうやってこの厄介者を処理するかということで一杯だった。

ルッツ「うおー、すげえ!いい景色だぜー!」
ポコ「そっか、ルッツは飛行船初めてなんだ」
ルッツ「いや、前にヒエンってのに乗ったことあるぜ!」
ポコ「ええー!?そっか、あの時エルクが修理してるって・・・」
チョンガラ「なんでもええわい!王様のわしがいれば最強じゃい!」
カーグ「・・・・チョンガラ、ちょっとこれを背負ってくれ」
チョンガラ「?なんじゃこれは?まあよいか・・・」
カーグ「それで、こことここのベルトを締めてくれ」
チョンガラ「締めたぞ。一体これは何・・・」
カーグ「じゃあ、このスイッチを押せばいいからな。元気でな」
次の瞬間、チョンガラの足元の床が開き、彼を空中に排出した。
チョンガラ「うおーおおおーおぉーーーーぉ・・・・・」
彼の姿が悲鳴もろとも眼下の雲海に吸い込まれていく。
ポコ「・・・・・・大丈夫かな?」
カーグ「パラシュート渡しといたし平気だろ。よし、行くぞ!!」

ポコ「お疲れ様!第二部完でーす!」
サニア「ちょっと!私はどうなったのよ!」


戻る