ルーアン経済史 − 中巻 −
        − 目次 −

  序文 《導力革命》以後の世界

  3. ルーアンと《導力革命》
     飛行船時代の到来と海運業

  4. 《百日戦役》と帝国
     戦役前後における物流の状況
     変化する《帝国》との距離

<中巻序文>
 《導力革命》による恩恵は、経済活動の基盤である
生産と輸送の双方に大きな変化をもたらした。
 手工業の導力化は、労働力の集約を経ずして生産性
を向上させ、中世的な職人組合を企業化し、多種多様
な製品を安定して市場へ供給する体制を築き上げてい
った。
 一方、飛行船を始めとする輸送技術の進歩は、一挙
に経済的競争を国際化させ、国家間に極めて実利的な
対立を引き起こしかねない状況を作り出した。
 逆に言えば、今日のどの地域のどんな紛争も、背景
には経済的対立を見出すことができるのである。