封印機構の目的は いわゆる民主主義の理念からは 完全に逸脱するものであった。 我々の中にすら、無限の力を持つ 《環》を有効利用すべきだという 意見が少なからず存在していたのだ。 だが、自律性を持ち始めてから、 《環》は社会と市民生活の双方を すさまじい勢いで変えようとしていた。 あろう事か、物質面の充足だけでなく 精神面の充足にまで着手していたのである。