【特集】新生王国軍 その変革に迫る ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆変化した王国軍◆ 『竜捕獲作戦』においてはオブザーバーとして遊撃 士を作戦に同行させた王国軍。何かにつけてギルドと の連携が取り沙汰されていたかつてと比べれば、明ら かにその体質に変化が起きつつあるようだ。
◆組織改革の原点◆ 組織の再編にあたり、カシウス准将には当初からひ とつの理想があったと言われる。《百日戦役》で自身 が率いた独立機動部隊である。 「独立」と銘打たれている通り、この部隊は小規模 ながら単独での作戦行動が可能な編成をとっていた。 開発されたばかりの軍用艇を用い、帝国軍の背後に回 りこむことで敵の戦線をかく乱。王国内部に侵攻して いた帝国軍を分断し、戦局を逆転する契機となったこ とは周知の通りだ。小規模であるがゆえの各部の連携 の緊密化、その結果としての戦果(所期の目的)の最 大化――カシウス准将の念頭に、当時の戦訓があった ことは想像に難くない。 ◆浸透する理念◆ 事実、王国軍各部では准将の理念に沿った改革が浸 透しつつある。冒頭で挙げた『捕獲作戦』の経過は、 その好例だろう。国境師団、飛行艦隊、王室親衛隊と 指揮系列の異なる部隊が集まったにも関わらず、状況 の変化に合わせて編成は柔軟に変更された。さらに作 戦が失敗した後に、現地指揮官の判断で遊撃士への協 力が要請されたことも特筆に値する。正規軍としての 面子にこだわっていた王国軍は、もはや過去のものな のかもしれない。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【速報】「紅蓮の兵士」 各地で目撃相次ぐ リベール各地から「所属不明の兵士」を目撃したと の報告が相次いで寄せられている。問題の兵士たちが 鮮やかな赤い鎧を着ていることから目撃者の間では「 紅蓮の兵士」と呼ばれており、飛行艇を使って活動し ているとの未確認情報もある。王国軍も警戒を強めて いるが、噂や憶測に惑わされないよう市民に注意を促 している。 【速報】王国軍 警戒態勢を一段階引き上げ 所属不明の武装集団についての報告を受け、軍作戦 本部は緊急に警戒態勢の引き上げを決定。遠隔地の拠 点は事実上の臨戦状態に入るため、街道の交通は控え るよう勧告が出された。作戦本部は情勢の推移を慎重 に見極める方針だが、レイストン要塞駐屯部隊では五 大都市への展開の準備が進んでいるという。情報が錯 そうしているが、読者諸賢にはくれぐれも冷静な行動 をお願いしたい。 |