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《ルピナス湖のほとりで》
ルピナス湖の湖畔に広がるフュエンテの国は、
南北が2つの地区に分けられている。
北は兄のエネトン王。
南は弟のキャラックがそれぞれ治めている。
もともとは北にあるハイゼンの城を都として
治めていたのだが、双子の王子の誕生を機に、
ホルクにも屋敷を造り、地区を分けた。

ホルクとハイゼンの2つの都は誕生した。
2人の王の力による、新しい国造りを願ったのだ。
兄弟は競い合うように、国造りにはげみ
よしにつけ、悪しきにつけ張り合った。
果たして、この行為を嘆きと受け取ったのか。
旅の魔女が残した言葉がここにある。
『母が血を分かつのは、国を別つためではない。』
フュエンテの将来を危惧する言葉にも思える。