『サフィー 第7巻 〜父の剣〜』冷や汗が頬を流れ落ちる。 アメジスが心配そうに、サフィーを見つめている。 彼女は決闘の後、4日間も眠り続けた。 サフィーはアメジスに微笑みを見せた。 小さな男の子は気丈にも、一睡もせずに 彼女を看病してくれたのだ。 安心したアメジスが眠りにつく前に サフィーに小さな皮袋と、 封印された羊皮紙の巻物を手渡した。 彼女が眠り続けた間に届けられた物だという。 皮袋には見事に磨かれたサファイアが入っていた。 トルマリン子爵のしゃれた報酬だ。 続いて無造作に羊皮紙を開く。 サフィーは、丹念に記された文字を追いながら 早まる動悸を抑えるのに必死だった。 御前試合の招集状。 待ちに待った時が、ついに来たのだ。 彼女は壁板の間に隠してきた一振りの剣を取り出し アメジスの穏やかな寝顔にささやきかけた。 『この剣が、全てを終わらせてくれるわ・・・。』 |