『神々と精霊の系譜』 バルドゥス教会編纂 光と闇は、その性質が相反するものでありながら どちらかが欠ければ、存在しえない関係にある。 光の神バルドゥスと闇の神オクトゥムも同様である。 かつて、バルドゥスがオクトゥムを地中に封じた時 自分自身の体をも失ったことが、それを証明している。 バルドゥスとオクトゥムは不可分の存在なのだ。 両者が争うさなか 姿を現したのが精霊たちと 彼らを統べる精霊神、ドゥルガーであった。 彼らは、バルドゥスとオクトゥム いずれに属するということもなく 当初から中立の立場にあった。 ドゥルガーの配下には 民間信仰の対象として有名な四精霊がいる。 優しき風のイドゥン、麗しき水のスコティア 豊穣たる地のネフティス、猛き炎のザール・・・ 彼らは、ドゥルガーとともに 大地に息吹を与えて生命を育んだ。 人もその時に生まれたのだ。 故にドゥルガーは大地を創造したのみならず 人の母ともいうべき存在である。 そのドゥルガーたちも バルドゥスとオクトゥムが地上から姿を消して以来 この地のどこかで眠りについているという・・・ |