人形の騎士
【第14巻 欺瞞の代償】
翌朝、ペドロが目を覚ますと
そこは人形工房の自室でした。


使い慣れた、ほどよい硬さのベッドに
夢だったのかと安堵するペドロ。


『おお、身体の調子はどうじゃ?』


工房からカプリが声をかけてきました。


奥にある工作台の上には
バラバラになった青い部品が載っています。
ペドロは、あわてて飛び起きました。


『夢じゃ、なかったんだ・・・』


どうやらカプリが《黒法師》を使って
ペドロ達を王宮から運んでくれたようです。


『僕のせいだ・・・』


残骸と化した蒼騎士を眺めながら
ペドロは乾いた口調で呟きました。


ターコイズブルーの涼しげな瞳。


陽だまりのような暖かい微笑み。


紅茶を淹れてくれた、しなやかな指先。


ペドロは、ぎりりと唇を噛みしめました。


『蒼騎士じゃ駄目だったんだ。
僕に、人形師としての才能があったら
ティーア姫を守ることができたのに・・!』


『まだ、判っとらんようじゃな』


カプリは、あきれたように呟いて
いつになく厳しい表情を浮かべました。


『お前に足りぬのは、ここじゃ!』


ぴしりと、ペドロの胸を指差します。
ペドロは目をぱちくりさせました。


               つづく