【第18巻 赤と青の決戦】
交わりあう白刃と凶爪。
めまぐるしく入れ替わる赤と青。
闘いの火蓋が切って落とされました。
『へぇ、動きが良くなったね?』
驚いたことに、蒼騎士の動きは
紅い悪魔人形《カラミティ》を
ほんの少し上回っているようでした。
『バラバラに壊してやったのに
1日で元どおりにするなんてね。
爺さんも、いい弟子をとったじゃない』
『あんた、師匠の知り合いなのか?』
『昔、ちょっとした因縁があってね』
カラミティは、翼をはためかせて
ゆっくりと上空に浮かび上がりました。
『さーて、こいつはどうかな?』
一声吠えて、急降下しました。
ペドロは糸を後ろに引きました。
頭上から迫った、鋭く大きな爪を
蒼騎士はバックステップで躱しました。
『じゃあ、これはどう?』
カラミティは、流れるような動きで
丸太のような尻尾を横殴りに放ちます。
ペドロは糸を右下に流しました。
腰を落とした蒼騎士は、剣を斜めに構えて
尻尾の勢いを、上方へ削ぎ落としました。
『なら、これはどうだいっ!?』
カラミティは、角の生えた頭を振りかぶり
蒼騎士の胴体めがけて突き上げました。
ペドロは糸を左上に弾きました。
ななめ後ろに身体をさばいた蒼騎士は
紫電の迅さで、剣を振り下ろしました。
ざくりと小気味よい響きとともに
真紅の翼の右側が、斬り落とされました。
つづく
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