《体質変化の記録・1》以下の記録は、我らの祖先が、この世界へ移住して おおよそ50年の後より、人体に現れた 不可思議な体質変化について記すものである。 『異変の発生』 変化は、移住してすぐに現れたわけではなかった。 異変を察知したのは、移り住んで50年も過ぎた頃。 あるとき、非常にカンの良い子供が生まれた。 その子供はやがて 遠く離れた土地での出来事までをも 言い当てるようになる。 今では珍しくも無い『千里眼』の能力だが 発生当時は奇異な能力として扱われた。 時を経るにつれ、そんな特別な子供たちが 次第に増えていった。 火を生み出す者、風を起こす者・・・。 それらの能力が、これまでの人間が 持ち得なかった力である事は、明らかだった。 はっきりと確認されたのは 祖先がこの地に来て3世代目からとされる。 メルヴィール王室編纂 |