本棚の本
《海に消えた古代人》
かつて、何百年もの昔、この世界は『水底の民』と
呼ばれる人々の不思議な技術で栄えていた。
彼らの技術とはメロディーを奏でることにより
魔法を使いこなすものだったと伝えられている。
ところが、それほど繁栄した『水底の民』の足跡が
およそ、950年前に歴史から、突然、消え去る。
原因は様々考えられるが、子供向けのお伽話を
引用すれば『魔法を使い過ぎたことで魔王を呼び出し
多大なる被害を受けてしまった。』とある。
恐らく、繁栄の根幹にあった技術の副作用による
ものと考えられるが真相は今となっては分からない。
その際『水底の民』たちは、清らかなる魔法
『幻のメロディー』で魔王を封じ込めたとある。
オースタンのセルバート遺跡には
『我々を窮地に立たせたのも魔法だが
 世界を救ったのもまた魔法である。』
と、その時の皮肉とも思える碑文が発見されている。