カジノのコンプ

コンプ(comp)とはComplimentaryの略であり、本来は無料という意味ですが、世界の多くのカジノで採用されている顧客サービスのことです。ここではラスベガスのホテルを例にして説明します。

1、コンプの種類
  • ホテルの宿泊費
    カジノホテルでは部屋代割引(カジノレート)、部屋代無料(ルームコンプ)の2種類があります。ラスベガスのストリップ大通りに面した巨大カジノホテルで週末に泊まろうとすると1泊$200を越えますが、カジノレートではその半額以下になるので、カジノで遊ぶつもりならこのサービスを受けない手はありません。
    もっともパック旅行でカジノに来た人の宿泊費はあらかじめ払い込まれているため宿泊費のコンプはできません。パック旅行の人は食事やキャッシュバックなどのサービスを受けることになります。

  • 飲食費
    そのカジノホテル内での飲食費がタダになるサービスです。カジノでのプレイ実績によってサービス内容は千変万化します。
    宿泊している場合、食事はすべてルームチャージとするのが基本です。払ってしまうとコンプを受けられなくなります。パック旅行の人はスロットクラブ(後述)で食事券をもらいます。

  • キャッシュバック
    カジノでのマシン系ゲーム(スロット、VPなど)のプレイ実績(ポイント数)に応じて現金が貰えます。

  • ショウチケット
    そのホテル内、もしくは系列ホテルのショウチケットの確保、または無料提供。

  • その他
    VIPラウンジの使用(チェックイン・アウトなど)、チェックインカウンターやカフェなどでの優先列使用、ウェルカムサービス(部屋への花や飲み物の提供)、ホテルのイベントへの招待など。

    以上は一般的なコンプの話ですが、コンプに上限は無いと言って良いでしょう。ハイローラーに対するサービスとなれば無料航空券の手配から、ほとんど何でもありになります。

2、コンプを受けるには
card
  • スロットクラブへの入会
    ほとんどのカジノホテルにはスロットクラブ(slot club)またはプレイヤーズクラブという制度があります。カジノフロアのどこかに専用のブースがあるので、そこに用意されている申込用紙に記入し、フォトID(パスポート)を添えて申し込みをします。入会手数料は要りません。
    入会すると写真のようなカードをくれます。プレイする毎にこのカードを使うことによりそのカジノでの実績(ポイント)が貯まり、さまざまなコンプを受けることができるようになります。スロットクラブに入会してもゲームをする義務はありません。ただし、コンプはゲームのプレイ実績に対して機械的に提供されるので実績が少なければサービスの内容も悪くなり、コンプをまったく受けられないこともあります。
    なお、コンプを受けられるかどうかはゲームでの勝ち負けとは無関係で、どれだけの金額をプレイに投資したかという実績が元になります。こう書くとたいへんな金額を投資しなければならないように見えますが、例えば25セント5枚賭けのビデオポーカーなら初めてやっても1時間に500ゲームはできるでしょう。この場合、$1.25×500=$625を投資したことになります。10時間やれば$6250です。1%のキャッシュバックならこの時点までに勝っていても負けていても$62は貰えるわけです。

  • マシンゲーム
    スロットやビデオポーカー(VP)などには機械の前面にカードを挿入するところがありますからプレイする前にカードを差し込みます。そうすればプレイしている内容が記録されポイントが貯まっていきます。カジノによってはカードを挿入したときにそれまでのポイントが表示されるところもあり便利です。
    マシンゲームをある程度プレイしてポイントが貯まったらスロットクラブのブースに行って欲しいものを要求するのが一般的です。係員はあなたのポイントを見て要求されたもの(キャッシュバック、帽子やシャツなどのカジノグッズ、食事券など)をくれます。
    なお、あなたが$1以上のマシンのプレイヤーならもっと上のコンプを要求できるかもしれません。その場合、係員はカジノホスト(後述)に相談して、コンプを貰えるかどうか教えてくれます。

  • テーブルゲーム
    ブラックジャックやルーレットなどのテーブルゲームでは、席に着くときにこのカードをディーラーまたはフロアマン(ピットボス)に提示します。フロアマンはあなたのプレイ状況をチェックして、プレイ時間、平均ベット(賭け金)額などを記録します。もっとも、カジノによっては最低ベット額が$25(カードゲームテーブルならグリーンチップ)以上でないとチェックしてくれないところもあります。このへんは同じホテルでも、時間帯、曜日、繁忙期か閑散期かなどで変化しますから一概に言えません。
    テーブルに座ってある程度の時間(4時間以上)プレイしたらビットボスに言えばカフェの食事券くらいならくれるでしょう。あなたの平均ベット額が多ければ多いほど高級レストランでも無料になるし宿泊費も無料になるでしょう。ただし、カフェやバフェの食事券以外のコンプはカジノホストがそれを出す権限を持っていますから、カジノホストを紹介してもらいましょう。


3、カジノホスト
    カジノフロアのどこかにカジノホスト(Casino host)の部屋があります。誰でも入室できるので、コンプ要求をできるくらいプレイしたと思ったら入っていって係員にカードを提示し、自分がどれだけのコンプを受けることができるか聞いてみましょう。最近は日本語のできる係員(Japan market)を置くホテルも多いので英語が喋れなくても大丈夫です。自分専用のカジノホストを紹介してもらいましょう。
    宿泊している場合、出発前日の夜にはカジノホストにどれだけのコンプが貰えるか確認してチェックして貰いましょう。部屋代も食事もオールフリーだと言われればその後の食事を豪華にできます。(^^;) この確認をしないと(カジノホストが忘れていて)コンプを貰えない場合もあります。また、出発時のチェックアウトカウンターで明細を見て、ちゃんとコンプされているかチェックするのを忘れないことです。
    もっとも、チェックアウト時に宿泊代などを請求されても、プレイ実績がちゃんとあれば後からクレジットカードに返済してくれますから、それほど心配は要りません。

VIP rounge
VIP room(Casino host) in Beau Rivage/BILOXI

4、フロントマネー
    あなたが数千ドル以上を軍資金として用意できるなら、現金を持ち歩くのは安全面からも良いことではありません。カジノにはマーカー制度があり、あらかじめカジノに現金やT/Cを預けておけば現金を持ち歩くことなくテーブルでゲームができます。
    テーブルに座って「Marker please $1000」などと言えばピットボスはあなたのフロントマネー(預けた金)をチェックして、言われただけのチップを出してくれます。
    フロントマネーはそれだけの金額をカジノで使う明確な意志を示すものですから、コンプを貰うにも有利であると言われています。資金に余裕があればカジノのキャッシャーでフロントマネーを預け(デポジット)ましょう。カジノによってはキャッシャーでなくてもカジノホストの部屋でも預けられます。なお、パスポートをカタに出せばサインしてないT/Cのままでも預けられます。


5、終わりに
    カジノに何度も通い、コンプももらって慣れてくると、ついついコンプのためにカジノゲームをするという逆転現象が起きるようになります。
    例えばルームコンプを貰える基準は、ラスベガスのストリップ通りの一流ホテルでおおよそ $100~130賭けを4時間くらいのようです。もちろん、この基準はホテルによって違いますし、同じホテルでも時期によって大きく違ってきます。
    遊んでいて、そろそろ止めたいと思っても、まだ時間が足りないからもう少しなんて思ってやり続けると、結果として高い宿泊代になったりします。コンプは遊んだ結果に後からついてくるものと割り切ることが肝心です。
    少なくともグリーンチップ($25)以上で数時間も遊べば、カジノレートでの宿泊は可能なはずなのでマイペースで遊ぶことです。コンプのために無理矢理遊んで、1泊数千ドルについたりしないようにすることが、とてもだいじな心構えといえます。
    時間が足りなければカジノレート(これだって普通の宿泊料金よりかなり安い)を払うつもりでプレーしましょう。
02/09/03 更新


カジノゲームメニューへ