旧刑法185条では賭博罪について「偶然の輸贏(ゆえい・しゅえい)に関し、財物をもって博戯(ばくぎ)または賭事(とじ)をする罪」と定義されていた。このうちの博戯は古代中国の六博(りくはく)というゲームに由来する。当時の六博は賭博用具であったため、六博の遊戯すなわち博戯は賭博と同義語とされたものであろう。

 博戯すなわちギャンブルゲームは人類の文明史とともにある。古代のゲームのみならず、ほんの一世代前のおとなが遊ぶゲームはほとんどが博打であった。ここでは数多くの博戯の中から、日本で広く庶民に遊ばれた(遊ばれている)ものを幾つかとりあげ紹介する。

※[平成7年6月1日施行された現刑法条文はもっと簡明になっている]


 執筆に当たり以下の著作を参考にさせていただいた。
@nifty(旧ニフティサーブ)のゲームフォーラムでの草場純氏他の発言
増川宏一著「賭博の日本史」(平凡社)
増川宏一著「賭博」(法政大学出版局)
山本卓著「賭博大百科」(データハウス)
尾佐竹猛著「賭博と掏摸の研究」(神泉社)
遊戯史学会誌「遊戯史研究」
司法省調査課発行「賭博に関する調査」(風媒社)


(ここに掲載されたもの、また未掲載のものについても資料が集まれば随時追加・掲載する予定です)