将来性とは(補足)
将来性を大切にするとは、一言で言えば、
「自らの盤上の石の効率を維持または向上できる位置に配石するか、もしくは相手の盤上の石の効率を現状よりも悪くすることのできる位置に配石すること」
【将来性の具体的区分】
① 大きな模様:相手が侵入せざるを得ない模様。模様を地にするのではなく、侵入してきた相手を攻めることにより利得を図ろうとすることが大切。逆に、模様に芯を入れ地に近くすることも大切。
② 相手の模様の近くにある自らの石の強化:相手の模様の消しに憂いを残さないという意味で、極めて大切。逆に、補強される前にそれに襲い掛かることも急場の一つ。
③ 傷のある模様:傷(きき筋)を利用し、模様の中で生きを図る場合や、外部へ脱出する場合があり、模様を形成した石の働きを減ずるもの、逆に、傷を解消し相手を入りにくくするもの。
④ あと1手かけると厚みが効率の良い地になる箇所:とりあえずこれを阻止するが、相手の応手によりその着手に固執しないことが大切。効率を少しでも減ずることができれば成功位の考え方でいることが大切。
⑤ 石数を多く配置した部位から考えた領域:厚みをそれに見合って活用することが極めて大切である。配石によりその領域や活用方法は異なるが、この活用を将来性に加える考え方も必要である。
20代に教える立場になってからいろいろ考える中に「上達する為の分かり易い教え方」を模索するようになり 数年かかって完成したのが「石田の四原則」でした。
着手を考える時に 「どういうプロセスを経て決定するのか」を追及し その中から「普遍的な項目」を抽出した積りです。
同好会や個人を対象としてこれに基づき教えて来たのですが このネーミングは仲間内だけで使っていたもので 世の中には出ておりませんでした。
その後囲碁教室に関わるようになったのを切っ掛けに もう1項目を加えて「石田の五原則」として完成しましたが このネーミングでは堅苦しくそぐわないのでソフトな「囲碁の薬」としてカードを作成し配るようになりました。
特に棋譜解説に当たっては あらゆる盤面を「原則」の言葉だけを使って来ましたが 半世紀近くの間一度も困ったことは無く自信を深めております。
この薬を信じて服用された方々は 間違いなくその効用に驚かれることでしょう。
服用の際の注意事項 : 一番多い間違いは「弱い石かどうか分からない」「強い石かどうか分からない」等の疑問を持つことです。だからこそ「思う」と云う言葉が入っているのです。その人が思えば良いのです。
肝心なのは 服用することに集中することなのです。
2009.10.01 石田 一麿