(敵の急所は我が急所) 殺しにいくなら、まずせばめてから急所に打つ「1ハネ2オキ」が基本ですが、そういう読みでは相手にうまい手があってしのがれてしまうということもよくあります。特に詰碁では普通の読みでは発見しづらい手段を作意(正解)にしていることが多いものです。 それでもまずは基本通りに読む、というのが前回のテーマでしたが、今回は発見しづらい作意の筋を見破る方法がテーマです。 「敵の急所は我が急所」という格言があります。殺しにいく手段を読んでみると相手にうまい手があってしのがれる、その相手のうまい場所が自分が攻める急所にあたる、という格言です。 簡単な例を示します。
1図の白地をせばめるには2図の黒1ですが、それでは白2でしのがれるのは明らかです。この白2の箇所を「敵の急所」と考えて、2の所から攻めることを考えます。
3図 1図の解黒1に白2はやむをえませんが、そこで黒3と打てば2の左は眼になりません。この黒1が「我が急所」という次第です。 もう一つ例を示します。
黒1には白2で生きです。2の所を「敵の急所」と考えます。
それが6図ですが、白2以下の手段で生きです。 この6図の2の所が真の急所で、7図の黒1から攻めれば以下白6のとき黒7のホウリコミがあってコウになります。 このようにして急所を発見する考え方は詰碁ばかりでなく実戦にも広く応用できるものです。 今回のテーマは「敵の急所は我が急所」でした。 |