前回「筋を一つずつ紹介」と書きましたが、基本的な筋を書き出してみたところ、以下の30近くは省けないようです。
皆さまの実力向上に期待して少しペース・アップさせていただきます。疑問の点はご遠慮なくお尋ねください。
(トビの筋) まずは狭める基本で2図の黒1、3を読むものですが、白4の眼持ちで生きです。黒1で黒3のサガリでも白4の所で同じことです。 3図の黒1トビが知らないと気付かない手筋で、白2に黒3が成立して白死となります。一線へのトビが最も白を狭めていることになるわけです。
5図、少し離れた黒2子とも黒1のトビでつながります。
6図は1図、4図の応用問題です。7図黒1から黒3がすぐに浮かぶようなら詰碁の腕が上がった証拠です。 8図白4の抵抗が悩ましいのが実戦形らしいところです。黒5以下黒9まで、眼あり眼なしか五目中手の形でしとめるのが味が良さそうです。この後白が内ダメをつめてくれば、内ダメが一つの時点で5の右に打って中手です。 黒5で8の所、白8の下、黒5の所の方が基本の感もありますが、白4の上からの脱出の味もあって得失は微妙です。
10図、取られている石を利用する詰碁で黒1のトビの狙いは黒3のサガリです。
12図、黒1のトビが隅を先手一眼にする手筋です。白2から白4の抵抗には基本通りの黒5黒7のハネサガリで生きです。 (オキの筋) 14図、こういう一線のオキも記憶していただきたい手筋です。 15図の黒1以下がコウであることを読んで、「敵の急所は我が急所」で14図のオキを発見する、というのは言うに易く行うに難いものでしょう。
17図、1の所を白に許すと凌がれますから、黒1のオキはこれしかありません。黒1オキと黒3サガリの連携で眼を奪う基本手筋です。
19図は実戦によく生じます。黒1から黒5で五目中手の死です。白2で1の右なら黒5の所のハサミツケです。 失敗図の黒1は手順前後で黒3には白4で黒1の石が逃げられません。黒3で4の所なら白3の所でセキです。
これも実戦形ですが、実戦では黒1のオキを発見できる方は実力者と言えると思います。白には抵抗の余地がありません。 黒1のオキで先手一眼です。 |