(ツケの筋) ツケの筋は実戦の死活にもよく出てきます。詰碁ではツケの中でもハサミツケの形で現れることが多いようです。瀬越先生の「詰碁辞典」ではハサミツケの筋を単にハサミの筋と称されていました。
ツケの筋は「敵の急所は我が急所」の考え方で発見できることが多いものです。2図の黒1では白2で生きですから、その2の所に先着したらどうかと考えるのです。3図の黒1がツケの筋で、白2に黒3以下黒7までと白の眼を奪います。
4図は実戦死形の基本形の一つで、5図の黒1のハサミツケから黒3の捨て石を放ってシボれば簡単に白死となります。
6図になると本格的な詰碁です。7図の黒1ハサミツケが手筋で以下黒9まで白死です。8図の白2には黒3以下を用意しています。
9図サガリキリの狙いが10図の黒1のツケです。黒5で2子を取らせて隅を欠け眼にします。
12図のオキでなく、1路控えた13図のツケが急所です。
図柄は大きいのですが、白の傷をとがめる方針で調べていけば、15図の黒1のツケが両睨みの筋と知れるでしょう。黒3で1の右は悪手で白2の下の効きが生じて生きられてしまいます。こういう手筋は類形が多いので数をこなせば形でピンとくるようになるものです。
17図の黒1では白2以下のコウですが、これが詰碁の正解のはずはありません。そこで左方を守る前に何か、と考えて、18図の黒1を発見することになるでしょう。手が限られているのでやさしい問題ですが、18図の黒1ツケは味わうべき手筋だと思います。 |