(石の下の筋) 詰碁と言えば石の下、と言われるくらい、いかにも作り物の筋と感じさせるのが石の下の筋です。複数の石を捨てて取られた跡に手段するという通常の実戦では滅多にお目にかかれない手段です。もっとも、アマチュアは石の下に気付かず、プロは石の下ではくやしいから避けているというのが真相かもしれません。私は実戦で石の下を生じさせたことが2度ありますが、2度とも手を下す寸前に相手に気付かれて投了されてしまいました。
1図が石の下で生きる原理図です。2図の黒1と広げたとき白2から白4がウチカキ狙いですが、3図の白6に黒7と4子を捨ててしまいます。白8と取られたとき4図の黒9の跡切りで2目を取り返します。
6図の黒1から黒3とつぐのが石の下を見通した手筋です。白4以下白8で4子を取られても7図の黒9の跡切りで解決です。 1図〜4図の石の下をダンゴ型や集四型、5図〜7図の石の下を稲妻型と称します。ダンゴ型の石の下は実戦では珍しいのですが、稲妻型の石の下は時々生じます。5図の配置の15の十九の黒石と17の十九の白石がどんな場合に生じたのかを考えてみてください。 石の下には色々なバリエーションがあります。2例を紹介しておきます。
9図の黒1から黒3のとき白4がオイオトシ狙いです。黒はかまわず黒5と大きくして6目を取らせます。10図の白12に黒13と跡キリをしてみれば、隅の眼がなくなるというしかけです。
12図の1の所を白につがれるとセキですから黒1と切るよりありません。以下白4まで黒4子を取られますが、13図の黒5の眼欠きの筋で解決します。黒5で5の左は白5の所で逆転の石の下という面白い形です。 |