手本引き

1、手本引きの歴史
 手本引きの歴史は明確ではない。使用する6枚の札は花札以前の「めくりカルタ」から派生したもののようであるが、手本引き独特のルールがどのような博戯から進化したものか明らかではない。比較的近年になって登場した博打である。
 なお、手本引きが江戸時代後半にはあったとされる資料があるが、これには異論がある。
2、道具
 親(胴)が扱う「繰り札」と「カミシタ(日本手拭い)」および出目を表示する「目木」、子が扱う「張り札」が基本の道具である。他に「通り」「半丁」という補助札がある。繰り札と張り札には1から6の数字が書いてある。
 手本引きは戦前戦後を通して賭場の主流となった博打であり、この道具を持っているだけで賭博常習者として検挙されたと言われるほどである。

繰り札と張り札
目木

3、基本のルール
 親は廻り胴で遊ばれる。親が繰り札を懐手または背中で人に見られないように繰りカミシタに入れる。子は胴がどの数字を選んだかを推理して賭けるのであるが、その賭け方はかなり複雑である。詳しくは手本引きのページをご覧いただきたい。