1、初期の中国麻雀 19世紀なかば、麻雀が誕生した頃のルールは馬弔などのルールに準じたものと思われるがあきらかにされていない。骨牌化の課程で花牌が多く取り入れられ、あまりに多種類となったために一種の廊清化が現在の浙江省寧波近辺を中心に生じたことはすでに述べた。この廊清化が完了した当時のルールを榛原茂樹(本名、波多野乾一、麻雀研究の第一人者)が想定寧波ルールとして考証している。
2、現代中国の麻雀 麻雀は中国で誕生し世界中に伝播するうちにさまざまに変化していったが、本家中国でもルールは変遷した。伝統的なサイド精算は消滅し、栄和3人払いも形を変えたがそのルールは日本とは大きく異なっている。 以下に中国と台湾の麻雀について概説する。これは主として浅見了氏から教えていただいたものである。
3、おわりに 以上のように現代中国の麻雀は日本麻雀とは大きく異なる。日本がゲーム性を追求する方向にルール改定がなされたのに対し、中国麻雀ではギャンブル性を排除せず、簡略性を追求したように見える。実際、日本では点棒が使用されるが中国では今でも毎局誰かが上がると現金精算である(もちろんある程度親しい顔見知り同士では両替などの面倒があるのでチップが使用される)。したがって上で述べた統一ルールはギャンブルを想定していないという面では画期的である。 浅見了氏によると、中国では雀荘は無いので誰か個人の家でプレイすることになる。この場合、お茶代として雀代を徴収する。そのかわりに料理などをふるまうという(料理を出さない家は嫌われる)。またゲーム前に何ゲームするかを決める。1束(1荘4回)を何回するかを決め、終了するまではメンバーの交代は認めない。主人側がときに交代することはあっても客が途中で抜けるなどは認められない。このへんは日本人とは文化の違いで興味深いところである。日本なら「仕事だから」などの理由で退席は認められるが中国では逆に麻雀をしていて仕事に遅れるなどは許容範囲(もちろん良くないことではあるが)とされるようである。 また博打であるからプレイ中のマナーには厳しい。不用意に手を頭の後ろに持っていけば、「そのまま静止」を命じられて、手の中に何も無いことを調べられるほどである。捨て牌も卓の中に散らばるので出した牌を全員が確認してから捨てられる。したがって先自摸などは起こりえない。博打であればあるほどゲームのマナーは良くなるという例である。(笑) |